【中学受験】入試直前の1月に学校を休む理由は?小学校を欠席するメリットデメリットを解説
中学受験直前って小学校は休ませるものなの?
メリットデメリットを確認して判断しましょう!
受験シーズンが迫るなか、親御さんたちは中学受験に向けて子供たちを最良の状態で準備させるために様々な検討をしています。その一環として、入試本番直前に小学校を休むという選択が考えられます。体調管理や学習時間確保のために入試本番直前に小学校を休ませることは最早当たり前になってきており、多くの家庭が数日~1か月程度小学校を休ませます。
現代ビジネスの記事によると、中学受験を行う家庭のうち1月を全て休ませる家庭が37%、なんらかの形で数日休む家庭は76%と、休む派が多数派であることがわかります。
ただし休ませることにはメリットと共にデメリットも存在するため、しっかり事前に確認したうえで判断することが大切です。この記事では、学校を休ませるメリットデメリットに焦点を当てて解説します。
休むべきかを子供と事前に話しておくべき
「何のために学校を休むのか」「休んでいる間に家で行うべきことは何か」などについて事前に子供と話し、双方納得したうえで学校を休むことが大切です。
子供によっては「学校で学ぶ内容はすでに知っていることばかりで意味がなく時間の無駄だから、受験に向けて学習時間をしっかり確保するために休みたい」という子もいれば、「学校で友達と話して遊ぶ時間が奪われるなんて考えられないから休みたくない」という子もいます。
いくら親が休ませたほうがいいと思っても、子供が納得して学校を休まないと良い効果を産まないばかりか、反発心を生じさせて逆効果になってしまうこともあり得ます。
以下で説明するメリットデメリットをしっかり確認し、子供の意向も確認したうえで適切な休学期間を選択しましょう!
受験前に小学校を休むメリット3つ
- 感染症やケガなど、健康面のリスクを減らせる
- 学習時間を確保でき、受験に集中できる
- 精神面で安定し、余計なトラブルを回避できる
感染症やケガなど、健康面のリスクを減らせる
受験直前は真冬の時期。インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症にかかりやすい時期です。入試期間に全力が出し切れるように、子供の感染リスクをできる限り下げてあげたいと考えるのは当然と言えるでしょう。受験前に学校を休ませる一番の理由はこの感染リスク軽減です。また通学途中や教室内での小競り合いによる事故やケガなどのリスクも減らすことができます。
学習時間を確保でき、受験に集中できる
理社の暗記や今までの総復習、過去問演習などに思う存分学習時間を確保することができます。また、「志望校の入試時間と全く同じ時間割で入試問題を解いてみる」というようなことができることも魅力的です。
精神面で安定し、余計なトラブルを回避できる
入試が近くなってくると誰がどこの学校を受けるとか、誰がどこに合格したとか、そういった噂が学校のクラス内で広まることもあります。受験をする子もしない子も、友達の受験状況は気になるものです。あなたのお子さまがそういった噂をセンシティブなものと考えて余計な気を遣うようであれば、余計な情報をシャットアウトするために学校を休ませるのは有効と言えるでしょう。
受験前に小学校を休むデメリット2つ
- 生活リズムが大きく変わる
- 親子ともにストレスを抱える可能性がある
生活リズムが大きく変わる
学校を休むと一日の中で自由に使える時間がぐっと増えますが、逆に言えば家庭で(自分で)律さないといけない時間が大幅に増えるということでもあります。
学校に行かなくていいからといって毎朝きちんと決まった時間に起きられないようでは、生活リズムの崩れから逆に体調を崩してしまうことにもなりかねません。
「学校を休むことによって産まれた時間をどのように使うべきか」をしっかり決めてから休ませるようにするとよいでしょう。
親子ともにストレスを抱える可能性がある
入試のことだけを考えると不要と思ってしまいがちな小学校の時間ですが、子供にとっては友達と話したり遊んだり体を動かしたり、貴重なストレス発散の場になっているかもしれません。
あまり長期間学校を休ませて自宅でずっとずっと勉強のことばかり考える時間を過ごしていると、子供は精神的に不健康になったり追い詰められた気分になってしまうかもしれません。また、親は子供に割く時間が大幅に増えたり、思ったように自宅学習が進まなかったりしてストレスを感じることもあるでしょう。
この部分は、子どもが望んで学校を休んでいるのか、親に半強制的に学校を休まされているのかによって大きく違いが出ます。また、子供が望んで学校を休んだ場合でも「親子が離れて過ごす時間」と「子供が運動・気分転換する時間」は意識的に確保する必要があるでしょう。
ケーススタディ2例
塾で何年も様々な生徒を指導してきた立場から実際に見た、中学受験直前の1月に学校を休んだ場合の成功例と失敗例を詳しく紹介します。あなたのお子様がどちらのケースに当てはまりそうか、イメージしながら読んでみてください。
成功ケース:計画的な学習で合格を掴んだAさん
Aさんは中学受験直前の1月、親と相談して学校を欠席することを決意しました。感染リスクを避けながら受験に集中するためです。休むにあたって、Aさんと親は「1日ごとの学習目標」を設定し、苦手分野である算数の応用問題や理科の暗記項目に集中しました。加えて、親子で模試の復習をしながら本番のタイムマネジメントも徹底的に練習。緊張や体調管理も考慮し、睡眠や休憩時間を十分に確保しました。
結果、受験当日は集中力が続き、全力を発揮できたAさんは無事に志望校に合格。感染リスクを抑えつつ、自宅での効率的な学習が効果的であったと家族も感じた成功例です。
失敗ケース:集中が続かず不安を募らせたBくん
Bくんも、親の勧めで1月から学校を休み、受験に集中する予定でした。しかし、環境の変化に戸惑い、最初は学校で友達と勉強していた流れがなくなったことで集中力が下がりました。自宅では思った以上に誘惑が多く、リズムが乱れがちに。また、休みの間に友人とのやりとりも減り、孤独感からか不安を募らせ、体調も崩しがちになってしまいました。
迎えた受験本番でも緊張が解けず、焦りから実力を発揮できずに終わったBくん。学校生活での支えが重要だったことを痛感し、家族も休学期間の計画やサポート体制が不十分だったことを振り返ることとなりました。
このように、1月の学校欠席は効果的な面もあれば、準備不足が逆効果になるケースもあります。適切な環境整備や心身のサポートが大切です。
休ませるときの期間は?学校にはどう報告する?
休む期間は「年明けから入試終了まですべて休ませる」「入試前の1~2週間を休ませる」「入試直前の数日を休ませる」と人によって様々です。必ずしも長く休むことがよいわけではありません。一か月という長期間をずっと家で勉強することが必ずしもプラスに働くとは限らないからです。子供としっかり相談した上でベストの期間を選択しましょう。
学校には担当の先生に「私立中学受験のため○○~○○まで休みます」と伝えればOKです。先生も毎年のことなので慣れていて、すぐに対応してくれるでしょう。
休ませた日の扱いは基本的に受験日当日は「出席停止扱い(欠席にはならない)」、その他の日は「自主欠席扱い(欠席として記録)」となりますが、学校によって受験前の1月欠席分も「出席停止扱い」にしてくれるケースもあります。欠席扱いになってもならなくても受験の合否に直接影響はありませんが、気になる方は学校の先生に確認しておきましょう。
まとめ
数年間受験のために二人三脚で歩いてきた保護者の方は、中学受験直前期に最適なケアをしたいと考えるのは当然です。ただ、入試直前に学校を休むことには検討すべきメリットとデメリットが存在します。親子での十分な話し合いを通じて、最適な選択を見つけ、子供たちが安心して受験本番に臨むことができるとよいですね。
また、実際に学校を休んでみてうまくいかない場合は途中から学校に行くこともできますし、学校に行ったら途中から休みたくなることもあるでしょう。親は臨機応変に対応し、子供が気持ちよく入試当日を迎えられるようケアしてあげましょう!