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【小中学生・国語勉強法】塾講師が教える、読解の苦手克服方法!

2019年11月5日小学生,中学生,国語・古典読解問題

岡秀之

岡秀之 創研学院 江坂校

家庭でもできる、国語の読解問題、苦手克服の勉強法

「国語が嫌い、苦手だ」という生徒さんの割合は少なくありませんし、保護者の方の中にも「学生時代、国語が大嫌いだった」という方はいらっしゃることでしょう。得意・不得意の差はどの教科でも表れるものですが、国語は得意な子と苦手な子の差が非常に大きく、また低学年のうちからはっきり表れる教科ではないかと思います。

今回は、小学1年生から中学3年生まで幅広く教えてきた経験をもとに、国語が苦手な子の点数を伸ばす方法についてお話しします!

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国語(読解問題)と他教科の決定的な違い

国語だけが問題用紙に答えが書いてある

国語、とりわけ読解問題は、他教科と決定的な違いがあります。

それは、「国語だけが、問題用紙に答えが書いてある」ということです。

ですから、国語の得意な子にしてみれば「文章を読んで、書いてあることを答えるだけ」なのです。文法事項を除けば英語や数学のようなはっきりとした新出単元があるわけでもないので、「習ってないから分からない」ということがありません。したがってほとんど勉強する必要がなく、いわゆる「ノー勉」で高得点が取れてしまいます。

国語が苦手な子に足りないもの

一方、苦手な子にとっては、まず文章を読むこと自体が苦痛です。読んでも何の話なのか分かりません。そして、答えが目の前にあってもそれが答えだと気づきません。丸暗記で何とかなるものでもないので途方に暮れて、ますます国語が苦手になっていきます。

では、国語の苦手な子たちは、なぜ苦手なのでしょうか?得意な子と苦手な子とでは、何が違うのでしょうか?

実は、国語が苦手な子には、足りないものが二つあるのです。

(1)語彙力

国語が苦手な子は、ほぼ例外なく語彙が足りないと言えます。文章中知らない言葉だらけなので、あちらこちらに「?????」の目隠しが散りばめられているようなものです。そんな状態では文章を読めるはずがありません。

語彙が少ない理由はいくつか考えられます。幼いころから周りの大人が言葉をたくさん浴びせてこなかったのかも知れません。自然に触れたり、お家のお手伝いをさせたりするなどの新しい体験をさせないと、新しい言葉に触れることもないでしょう。

家族の食事風景

中でも幼少期からの読書量の違いは影響が大きく、読書が好きな子と嫌いな子とでは、語彙力に大きな開きがあります。

(2)イメージ力

知っている言葉が並んでいたとしても、そこから情景や話の道筋を組み立ててイメージする力が足りないと、一通り読んでみても結局何の話だったかよく分からない、ということになってしまいます。

例えば、「ある北国の山の中。吐く息は白い」という描写があったとします。イメージできる子は、この情報だけで「木がたくさん生えてる」「雪が積もってそう」「曇りかな」「僕は晴れてると思う」といった具合に、もう頭の中に北国の風景が浮かんでいます。

一方、イメージする力の弱い子は、こういった想像がふくらみません。「吐く息が白いから冬かな」といったことにも考えがおよびません。

雪降る北国

国語(読解)が苦手な子の文章の読み方

国語の苦手な子に文章を読ませると、大きく2つのパターンに分かれます。非常に時間のかかる子と、読み終わる時間自体は普通な子です。そしてこの子たちはそれぞれ、読めなさの性質が違います。

パターン1)1文字1文字型

読むのに非常に時間のかかる子は、だいたいがこちらのパターンであるように感じます。ひらがなの習熟に手間取った子に多く、また低学年の子に多く見られます。

「わ た し は げ ん き で す」という具合に1文字ずつ読み上げているだけで、「わたしは、げんきです。」というように意味を持った固まり(単語や文節)として認識できていないのです。

先ほどお話しした、イメージする力が足りない子は多くの場合、こちらにあてはまります。高学年になってくると、「朗読させてみるとそれなりに読めるのに、実は全然内容がつかめていない」というケースがありますが、これは学校などで朗読させられる時に恥をかかないよう、それらしく朗読する技術を身につけているだけです。

音読する小学生の女の子

また、簡単な文章ならそれなりに理解できるけれども、知らない言葉が出てきた時や文の構造が複雑な時などに、文字を読むだけになって言葉の意味を捉えられなくなるのもよくあることです。

パターン2)飛び飛び型

語彙は足りないけれども、イメージする力がないわけではないパターンです。

読めない漢字や知らない言葉は飛ばして、自分の分かる言葉だけをつなぎ合わせ、すき間は自分の想像で補完して読んだことにしてしまうのです。

自分の知っている言葉だけで構成されたストーリーがなんとなくでき上がっているので、「読めなかった、分からなかった」という自覚がないことも多く、難易度の低い物語文ならある程度正解できてしまうこともありますが、理路整然と組み立てる説明文・論説文になると歯が立ちません。

高学年になって国語ができなくなってきた子は、学年が上がるにつれて語彙が追い付かなくなって無理やり読み飛ばすようになり、読解の精度が下がってしまった、というケースが多いように感じます。

国語の点数を伸ばすために行ってほしい勉強法

さて、ここからが本題です。実際のところ、国語の苦手は克服できるのでしょうか?点数を伸ばすことはできるのでしょうか?

答えは「イエス」です。ただし、相応の努力が(保護者の方にも)要求されます。

では、国語の点数を伸ばすために行っていただきたいことを3つお話しします。

1.語彙を増やす

1.1項にてお話ししましたが、語彙が少ない子にとっては、文章中のそこかしこが虫食い状態になっているようなものです。読者の方に英語の勉強で苦労した経験がおありなら、難易度の高い長文に出くわした時に似たような感覚を味わっているかも知れません。

語彙はあるに越したことはありません。国語のみならず、理科や社会、古典、近い将来大学で学ぶ外国語といった、あらゆる教科の土台になるからです。

そしてそういった語彙・知識の深まりを「教養」と呼ぶのだと思っています。

語彙を増やすためにできること

では、どうすれば語彙を増やしていくことができるのでしょうか。

「語彙を増やすには、読書が重要だ」という意見を聞いたことがあるでしょう。これは正解ですが、それだけでは不十分です。
なぜなら、2.2項でお話ししたタイプの子に本を読ませても、知らない言葉を読み飛ばすクセがついたままでは意味がないからです。

ここでは語彙力を強化するための勉強習慣として身につけていただきたい3つのポイントをまとめました。

語彙力を強化するための3つのポイント
  1. 知らない言葉を読み飛ばさない
  2. 知らない言葉を推測する
  3. 推測した意味が合っているか答え合わせをする

(1)知らない言葉を読み飛ばさない

まず「自分は読み飛ばしをしている」と自覚させること、それから、知らない言葉にぶつかったときに少し立ち止まる習慣を作ってやる必要があります。

具体的には、例えば物語文の一場面を読ませ、文章中に知らない言葉がなかったか尋ねます。個人差はあるでしょうが、いくつか挙げてくれるでしょう。

(2)知らない言葉を推測させる

次に、ここが重要なのですが、その知らない言葉がどういう意味だと思ったか尋ねるのです。すると、「こういう意味?」と自分なりの解釈を話してくれる子もいれば、「わかんない」「しらない」と即答する子もいます。

ここで「知らない言葉の意味を自分なりに推測しながら読む」というのが、語彙を増やすための重要なきっかけなのです。

ですから、「しらない」と答えた子については、「分からないなりに推測してみる、解釈してみる」というアタマの使い方を根気よく教えていく必要があります。

(3)推測した意味が合っているか答え合わせする

知らない言葉の意味を自分なりに考えてみたら、次は答え合わせです。

紙の辞書でなくて構いません。ネット検索でよいので、できるだけ調べた方が効果的です。ネット検索のメリットは、動物や植物、または昔の道具といったものを画像や動画で見られるところです。

現代の子(と私が子供の頃にも言われていましたけれどね)、とりわけ都会育ちの子は自然に触れる機会が少なく、国語の文章に当たり前に出てくる虫や鳥のことを知らないことがとても多いのです。

ツバメを見たことがない小学5年生(本当に見たことがないとは考えにくいのですが)や、「ヒバリ」が鳥の名前だと知らない中学生もいます。ネットを使えば、そういったものについても簡単に見せてあげることができます。キリンの鳴き声を聞かせることだってできるんですから。

 子供の知らない言葉や名前をうまく教えてあげると、子供たちは未知の言葉に興味を持つようになってきます。

ポイント

ここでのポイントは、大人も一緒に調べ、一緒に学ぶ姿勢を見せることです。
「調べなさい」と言い放つのではなく、大人自身が「これはどういう意味だろう?ちょっと調べてみよう」という姿勢を子供に見せ続ける必要があります。

これを根気よく続けると、少しずつ知らない言葉に自覚的になり、自分で調べるなどして語彙を増やそうとし始めます。そうなれば、国語の「苦手」からは半分ぐらい抜け出せたと言ってよいと思います。

また、1.1項で少し触れましたが、子供に新しい体験をさせることも非常に重要です。見たことがあるだけなのと、自分の身体で経験したのとでは、知識・語彙の定着に大きな差がでてきます。

自然の中で虫捕りをする女の子
いろんな新しい経験をさせましょう!

2.イメージさせる

文字情報をイメージする力が乏しいお子様

2.1項でお話ししましたが、「文字を読み上げているだけで言葉を読めていない」子は、語彙が足りないのはもちろん、文字情報を頭の中でイメージする力が乏しいのです。

耳から入る情報つまり音声は、毎日のように会話をしているので、当然よく理解できます。しかし、読書の経験が少ないと、眼から入る文字情報を音声と同じように理解できないのです。

ですから、例えば読解の問題や算数の文章問題など、問題の意味が分からなくて行き詰っているときに、その問題文をそのまま読み上げてやるだけで「ああ、そういうことか」と言って解き始めることがよくあります。分かりやすいようにかみ砕いて説明するわけではなく、文字を音声にしてやるだけで理解できるようになるのです。

絵を描いて、文字と音声をリンクさせてあげる

そういった子に対しては、文字と音声と情景をリンクする手伝いをしてやるのが効果的です。
文章を読み上げながらその場面や情景の絵を描くなどしてやると文章の理解が深まります。

絵は上手くなくてかまいません。むしろ、大人が下手な絵を描くと子供が喜ぶのでおすすめです。

会話が続く場面で、誰が何を言ったか分からなくなることも多いですが、棒人間に吹き出しをつけて漫画のように見せると、おおむね理解してくれます。

色鉛筆と吹き出し

読解問題を攻略する「解き方」のコツ

ここからは実際の読解問題を解くにあたっての「解き方」についてお話しします。

国語は「解き方」をマスターすれば成績は上がる

せっかく答えを見つけられているのに、答え方を間違って減点されてしまうのはよくあることです。それに対して、大人がきちんと「なぜマルがもらえなかったのか」を教えてあげないと、子供は「合ってると思ったのに間違えた。私は国語ができないんだ」と思い込んでしまい、国語嫌いになっていきます。

時々、「ウチの子、読書は大好きですけど国語はできないんです」と言ってやってくるご家庭がありますが、たいていの場合は正しい解き方を教えれば簡単に成績が上がります
ここでは2つのポイントをお伝えします。

ポイント1:問題文をしっかり読むこと

重要なのは、本文はもちろんですが、問題文をしっかり読むことです。

問題文と正しい答え方

「抜き出しなさい」と書いてあったら、一字一句たがわずに抜き出さなければバツがつきます。
「なぜですか」と聞かれたら、「~から。」と答えなければ減点されます。
「どういうことですか」との問いには「~ということ。」と答える必要があります。
「~字で答えなさい」とあれば、その字数を守らなければいけません。

そんなことは当たり前だと大人は思いますが、それすら読まずに解いている子供は意外と多いものです。

「答えの半分は問題文に書いてある」

私がよく生徒に言うことです。

何を聞かれているか意識するクセをつけるだけで成績が上がる子は多いと、私は見ています。

ポイント2:自分の意見ではなく、本文に書いてあることを答える

登場人物の心情を選択肢から選ぶ問題などでよくあることなのですが、自分の意見を選んで間違えるパターンです。

国語が苦手な子だけでなく、読書好きの子が間違えることもよくあります。読書好きの子は、その文章の世界に没入するあまり、主人公に感情移入して「私だったらこう思う」という主観が強く表れるからです。

これについては、生徒の選んだ選択肢が正解か不正解かにかかわらず、「それはどこに書いてあった?」と問いかけ、答えさせます。「君の感想は、ここでは聞かれていない」ということもよく話します。

「なんとなく」ではなく、「ここにこう書いてあったから」と、答えに根拠を持たせられるようになってくれば、かなり読解力がついてきたと言っていいでしょう。

手を挙げる小学生

まとめ

国語が苦手な子の点数を伸ばす方法について、私なりに感じていることをお話ししました。接続詞との関係など、よりテクニカルな話もありますが、他の機会に譲ることとしました。

小学生を念頭に置いた内容ではありますが、中学生にも通じますし、中学生になってからでも克服することは可能です。

よく保護者の方から「国語力をつけさせるために読書をさせたいが、どんな本を読ませればいいのか」という質問をいただきますが、それに対しては「ライトノベルでも推理小説でも、小学生なら絵本でも、本人が楽しく読めるものであれば何でもかまいません」とお答えしています。

読書による国語力の養成は、日々積み重ねるものです。楽しくなければ続かないし、面白くなければ頭に入りません。

国語が苦手な子供たちが、ちょっとしたきっかけで(それが私の授業であれば嬉しいのですが)ちょっとずつ苦手ではなくなり、そしてちょっとずつ好きになってくれたら、これほど嬉しいことはありません。

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この記事を書いた先生
岡秀之
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