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睡眠不足は勉強に悪影響?小学生にとって睡眠が大切な3つの理由!

2019年12月27日小学生,生活習慣

田中 駿大マナブレイン編集部

1日の約3分の1(小学生以下の場合はそれ以上!)の時間を占め、成長期の子どもの脳の発達に大きな影響を与える睡眠。
寝る子は育つ」という言葉があるように、子どもは大人以上に睡眠時間が必要で、育ち盛りの小学生の脳や身体に大きな影響を与えます。

また、睡眠は記憶のメカニズムにも深く関係しているため、学習効率にも大きく影響します。
そのため、これから受験を控えるご家庭や学力向上を目指すご家庭にとっても、睡眠に目を向けることは非常に重要です。

今回は小学生のお子様にとって睡眠が重要である理由、睡眠のメリットを詳しく紹介します。

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小学生にとっての睡眠の3つのメリット

成長ホルモンの分泌を促す

子どもの成長に欠かせない成長ホルモン。
この成長ホルモンは、睡眠後3時間以内に多く分泌されると言われています。
これにより骨や身体がつくられ発育が促進されます。

しかし、睡眠不足で成長ホルモンの分泌が抑えられると、成長が妨げられ、身体を充分に回復させることができません。

記憶が定着する(学力の向上)

しっかりとした睡眠は、記憶の定着、ひいては学力向上にいい影響をもたらします。

2018年の東京大学と理化学研究所の研究では、睡眠中に出る脳波が脳回路をクールダウンし、記憶情報を整えることが解明されています。

研究グループは、海馬から発生する「sharp wave ripple(以下、SWR)」という脳波が、睡眠中にシナプスの繋がり度合いを弱めていることを突き止めました。この現象は、眠る直前に学習した情報をコードするニューロン群では生じませんでした。つまりSWRは、必要な情報を確保しながら、不要なシナプスを弱めることで、記憶キャパシティを確保することが明らかになりました。また、睡眠中のSWRを阻害するだけで、睡眠不足の状態を十分に再現できることから、睡眠の目的の一つは「SWRを出して回路をクールダウンするため」であると言えます。

東京大学大学院 薬学系研究科・薬学部 トピックス

また、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針」(2014年)によれば、就寝時間や起床時刻が遅いと、学力・成績低下に影響するということが示されています。

『思春期の睡眠に関する研究では、一定しない睡眠-覚醒リズムおよび就寝時刻や起床時刻が遅いことが、学業成績の低さと関係していることが示されている。』

健康づくりのための睡眠指針2014 平成26年3月 厚生労働省健康局

イライラやストレスを抑える

大人でも、睡眠不足の日はなんとなくイライラして集中力が続かなかったり、反対にぐっすり眠れた日は頭もスッキリし仕事がいつもより捗った、という経験ありませんか?

それは子どもも同じ。

例えば、平成26年度に文部科学省が実施した「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果」によると、小学生、中学生は就寝時刻が遅いほど、イライラする割合が多いという結果が出ています。

『次の日に学校がある日の就寝時刻と「なんでもないのにイライラすることがあるか」という質問への回答との関係をみると、小学生、中学生のいずれも、おおむね就寝時刻が遅いほど、イライラすることが「よくある」「ときどきある」の割合が高くなっている。』

文部科学省 「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果

他にも、

・何事にもやる気が出ない、熱心になってくれない
・暗記力がない。一度教えたことがなかなか覚えられない
・集中力がない。午前中なのに眠そうにしている
・すぐイライラするようになった
・単純ミス(ケアレスミス)を繰り返す
・理由は分からないが、テストの成績が低下している

こういったお悩みは、生活習慣の問題、とりわけ「睡眠」の問題が関係しているかもしれません。
特に小学生以下のお子様の場合、口で言い聞かせてもなかなか改善せず、原因が何なのか分からないことも多いはず。

そんなときは、お子様の普段の生活習慣が根本原因にあるかもしれません。
改めて振り返ってみることをオススメします。

子どもの睡眠管理は親の大切な仕事!

お子様の適切な生活リズムをつくることは、親の大切な役割です。

特に乳幼児~小学生低学年など、自分で自己管理ができない小さい年齢の場合、親がしっかりと管理をしてあげる必要があります。

とくに思春期にかけての小中学生は、夜更かしに興味を持ち始める年代です。仮に布団に入っていても、なかなか寝付けていないこともあります。

子どもが夜までテレビやゲームをしていても気にしなかったり、平日早起きさせている分、休日はお昼まで寝ていても仕方ないと思っていたりすることはないでしょうか?

そして、日々の習慣はいつの間にか本人の中に染み付き、本人も無意識・無自覚になってしまいます。ですから親や第三者の指摘が重要なのです。

私たちの塾でも、授業中いつもより集中力が欠けていたり、勉強意欲が下がっているなと感じたりした子には声をかけ、できるだけ様子を聞くようにしています。

すると、成績が伸び悩む背景には睡眠不足(夜更かし)の問題があることが分かり、生活習慣の改善を促した結果、明らかに学習効率が変わり、集中力が向上したケースがよくあるのです。

小学生のお子様は早い子だと反抗期を迎え、躾が大変な時期ですが、日々の小さな生活習慣の積み重ねがその後のお子様の土台をつくります。ご家庭では親がしっかり生活リズムを整えてあげましょう。

とはいえ共働きで育児は大変。ならば、まずはできることから。

しかしそうは分かっていても、現代社会では女性の社会進出や家庭環境の変化により、子どもの生活リズムを整えることが難しくなっていると思います。

共働きで親の帰りが遅くなると、それに伴って子どもの就寝時刻も遅くなりがちですよね。
しかし睡眠について知識を持ち、意識を変えるだけでも大きな一歩です。まずはできることから、小さいことから改善してみましょう。

睡眠について考える際は、「時間」と「質」の二軸で考えることがポイントです。

時間の使い方を見直し、睡眠時間を確保する

実際、子どもが何時に寝て何時に起きるかは、親の時間の使い方によるところが大きいでしょう。

親が夜更かしの傾向があると子どもも夜型に、親が朝型だと子どもも早寝早起きの傾向があります。

また、共働き夫婦の場合、親の帰宅時刻が遅くなり、自然と子どもの寝る時間も遅くなってしまうということはよくあります。その場合は帰宅後のお風呂や夕食の時間を早めたり、夕食後はテレビやゲームをやめるなど、時間の使い方を見直し、生活の質改善のためにできることを探ってみましょう。

また、子どもは親の時間の使い方を見て育ちます。親がスマホをずっといじっていたり、テレビばかりに夢中になっていたらどうでしょうか。

その状態で子どもにだけルールを守れといっても子どもは不満に思うでしょう。
親は子どもにとって悪い見本にならないようにすることが大切です。
そして親と子が一緒に時間の使い方を考え、一緒に守っていくことが大切です。

睡眠環境を見直し、眠りの質を高める

最後に、睡眠の質についてです。

質を高めるためにまず行っていただきたいのは、睡眠環境を整えることです。
つまり、お子様が寝やすい環境づくりです。

・夜中、ドアや窓の隙間から明るい光が入り込んでいないでしょうか?
・室温や湿度はお子様が快適に眠れる状態に保たれているでしょうか?
・いつも使っている寝巻きや布団が原因で、寝苦しさを招いていないでしょうか?

また、夕食後は間接照明などで部屋を暗めにする、寝室の温度や湿度を快適にするなど、お子様が夜自然と眠くなるように仕向けてあげることも大切です。

こういったことをきちんと継続するには、何より親の努力と強い意志が大切です。
ですが、小さな子どもにとって外部環境は重要で、それによって眠りの質も左右されます。

子どものために快適な睡眠環境にこだわっていただきたいと思います。

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