【新高1生へ】高校数学と中学数学との違いとは?問題集・参考書の3つの使い方
高校合格おめでとうございます。高校受験を経験したことで、勉強面はもちろん、精神面でも以前の自分より大きく成長できたことと思われます。
高校での生活、特に部活はどこに入ろうだとか、文化祭、体育祭に積極的に参加しようだとか、いろいろ考えだすと切りがありません。逆に一番不安が大きいのは、勉強面かもしれませんね。
そこで今回は高校1年生の数学について、勉強の仕方や定期テストに向けた準備、問題集や参考書の使い方など、知っておいてほしい高校数学の基礎知識をお伝えしたいと思います。
学習内容や進度は高校によって異なる
中学までは義務教育なので、各学年で学習する内容が厳格に決められており、みなさん一律に、教科書を順序良く進めていきます。ですから、数学が苦手だから嫌いだからといって、避けて通るわけにはいきません。
ところが高校は、履修する科目が学校ごとに大きく異なります。極端な話、高校から数学の授業が全くないといったコースも一部存在します。
また、教科書によってレベルがずいぶん違ったり、シラバス(年間カリキュラム)によっては1年かけずに次学年の内容へと進んだりと、まちまちです。ですから、進学する高校次第で、数学で学習する内容も進度も大きく変わってきます。
「数学Ⅰ」が高校数学のスタート
ほとんどの高校1年生が学習するのが、この数学Ⅰです。式の計算・因数分解から入って、2次関数、三角比、データの分析などの単元があります。
教科書はありますが、プリントで学習を進めるスタイルも多く、教科書に沿った問題集が与えられ、そこから宿題やテスト問題が出される形式が大半を占めます。今の問題集には答えだけでなく、詳しい解説もついていますから、それを頼りに問題を進めていけば良いでしょう。
「習っていないから分からない」は通用しない!
中学までは、定期テストの試験範囲は絶対的なものであって、そこから逸脱することは決して許されないというルールでしたが、高校からは違います。
習っていないからわからない、試験には絶対出ないという理屈は通用しないと考えておいてください。何らかの形で先取りしたり勉強したりしておかないと、応用問題や難問には歯が立ちません。これは大事なことですので頭に入れておきましょう。
ただし、それらの問題を当たり前のように解いて、好成績を修めるクラスメイトたちも必ずいます。そのときになって、「習っていないから、できませんでした。」という理屈は通用しないのです。
問題集・参考書の使い方3つのポイント
前回、中学数学と高校数学の違いや、高校生になるにあたっての勉強面での心構えについてお話ししました。今回は、勉強方法についてお伝えしたいと思います。
其ノ壱『他の問題集に手を出さず、一つひとつをやり切ろう』
ポイントは、高校でも授業で教科書を使用しますが、主にプリント中心で授業を進めていく先生が多く、そこから試験に数多くの問題が出題される傾向にあります。
また教科書に沿った問題集を併せて持たされることが多く、ここからも試験に出題されます。ここで他のものに手を出すと、問題の構成や難易度が異なり、やり方も随分と違ってくるので、与えられた問題をしっかりこなすことが先決です。
したがって、まずいきなり他の問題集を購入する必要はなく、授業で扱う教科書、プリント、問題集を行うことをメインにしましょう。中学までだと教科書やワークだけでは問題数が少なくて、塾の宿題などに頼る人も多かったと思われますが、高校では予め用意されている分量だけで十分でしょう。
その上で、一つひとつをやりきることが大切なことになってきます。
其ノ弐『参考書は辞書代わりに使おう』
春になると、書店には新入学フェアというコーナーが設置され、真新しい参考書、問題集が店頭にズラリと並んでいることでしょう。その中でも高校生向けのものは種類も豊富で目移りするくらいの種類と数があります。
「チャート式シリーズ」などの参考書の使い方
その中でもとりわけ目を引くのが「チャート式」シリーズ(数研出版)というもので、かなりの冊数が積まれていることでしょう。高校では、学校の授業だけではよくわからない、問題が解けないということはよくあり、その解決策のヒントが「チャート式」シリーズのような参考書にあったりします。単元にもよりますが、問題のパターンは大体決まっていて、参考書を紐解けば大体同じような問題が載っていたりします。ここをうまく活用することこそが成績アップの秘訣です。
問題集にも詳しい解説がありますが、あえて参考書を活用することで、新たな発見や理解が生まれやすくなります。すぐに正解を求める前に、自分でもあれこれ調べたり考えたりすることで問題の意図回答の手順などがより明確にります。
なぜ?どうして?と自問自答を繰り返すこと
数学はただ計算すればよいということではなく、解答へつながる道筋を探求する学問です。いわゆる難問とされるものは、この道筋が非常に狭く見つけにくいことから、難しいとされるのです。
自分の中に「こうすれば解ける」というツールを増やすことで解けなかった問題が解けるようになり、成績アップが見込まれてきます。そのためには、答え合わせをして、合っていた合っていなかっただけでなく、ときには大回りをしながらでも「どうしてこのような問題があるんだろう」と自問自答を繰り返していくことが必要です。
其ノ参『百害あって一利なし、教科書ガイド』
教科書そのものの練習問題や章末問題などの解答・解説がズバリで載っている教科書ガイド。昔風に言うと「虎の巻」だとか「アンチョコ」といって、授業であてられたときのお助けマン的な存在で、昔から重宝されている参考書(?)です。
やはり3月のころ、書店の店頭に並べられ、その横に近隣の高校ごとの採択教科書一覧表があって、特に親御さんが食い入るようにその表を眺めている姿が印象的です。英語・数学が基本的なラインナップですが、中には参考書と併せて大きな紙袋2枚重ねいっぱいの新書をふうふう言いながら持ち帰る人もいます。
では、この教科書ガイド、何がいけないんでしょうか。
さっと入ってきた知識は、さっと出ていきやすい
最近では、出版元の会社直々に教科書ガイドを作成しているケースも多く、まさに痛いところに手が届く構成となっています。ここ知りたいんだよなというところがズバリで説明してあります。教科書ガイドがあれば、英単語調べや訳作り、宿題などもへっちゃらでしょう。
しかし、ここがよくないのです。
さっと入ってきた知識は、さっと出ていきやすい。そのため、予習復習が手抜き、おろそかになりがちです。
試行錯誤しながらオリジナルノート作りや勉強法を創り上げる
高校での定期テストは、授業で習ったことの応用や発展、ときにはあまり脈絡のない出題も数多く見られます。普段から自分でしっかり考えていく習慣を身に着けていく必要性があります。それを日頃からおろそかにしていくと、定期テストでどのような結果になるかは容易に想像できますよね。
どんなに成績優秀な人でもスタートは一緒です。成績に差が出てくるのは、能力でなく、努力にあると思います。時間をかけるべきところはかけることで、より強いインパクトをもって知識としていければ、かけがえのない知識(財産)になるに決まっています。高校入学時こそ、試行錯誤して、オリジナルのノートづくりから勉強法までを創りあげていきましょう。
ちなみに、教科書ガイドは1冊2,000~3,000円となかなか値が張るものなのですが、実際に授業が始まると教科書を全く使わない先生だったりもします。また高2以降で教科書ガイドを活用したという話はほとんど聞きません。
探究心を持ち、先取り学習を心がけよう
勉強は、「そこまでしか勉強してはならないという範囲」はありません。興味があって深く掘り下げていきたいのであれば、探求心を持ってどんどん学んでいくべきなのです。
高校での学習にも範囲がありますが、それは目安のようなものですから、特に数学においては、先取り学習や問題演習などを前もって行っていく必要性があります。
「いつかやる」はいつまでたっても来ない
新学年になると、真新しい教科書やノートに囲まれ、否応なしにモチベーションが上がります。
学習計画も立て、その中には一日でこなすにはかなり厳しい分量を盛り込み、「明日からやろう」と意気込んで、とりあえず寝ます。そして、次の日から取り掛かろうとするのですが、筆記用具がなかったり、ノートが足りなかったりとあれこれ探したり、出かけたりしているうちにいつの間にかテレビを見ていたりするものです。
その次の日は、学習計画表の練り直しに一日を費やし、なんだかんだ1週間があっという間に過ぎて行ってしまいます。
これぞまさに画に描いた餅で、計画表は立派なものが出来上がりますが、“勉強みたいなこと”に明け暮れているだけです。自分でハードルをどんどん上げていって、実が伴わない典型的なパターンです。
やると決めたらとことんやる、その姿勢を貫くべし
そうならないためにも、数学でいえば、まずは集中して何問くらい解けるかを実際に試しながら少しずつ勉強量を増やしていく方が現実的です。
まずは己を知り、飛躍を目指すための覚悟を決め、やると決めたらとことんやる姿勢を貫くことが大切です。あれこれ考えるよりもまずは問題に手掛け、どうすればできるのかを探求していくことです。まずは行動、これに尽きると思います。