成績がぐんぐん伸びる子の4つの共通点。小学生に大切なのは“学習習慣”と“褒める指導”!
塾講師を何年もしていますと、子どもたちと接する中で、成績が伸びる子と伸びない子の違いを感じることがあります。もちろん個人間での能力の違いもありますが、それ以上に、伸びる子にはある共通点が多いと感じています。
今回はそんな「伸びる子」に見られる共通点についてお話ししたいと思います。
成績が伸びない負のサイクル
まず前提として、勉強は集中力と忍耐が必要です。
当然、勉強時間や暗記量は学年を重ねるごとに増え、そして学習内容の難易度も上がります。
成績が伸びない子どもはここで集中力が持ちません。またミスをするとすぐに諦め、泣き言を吐いたりして勉強を辞めてしまいます。
さらに、その行動に親がイライラして、子どもにきつい一言や捨て台詞を発してしまうサイクルが発生している日常があるように思えます。
結果、勉強が嫌になり、ますます成績が伸びない行動をとるようになります。
成績が伸びる生徒はここが違う!
さて、成績が伸びる生徒は、このような負のサイクルとは反対に「正のサイクル=4つのポイント」を身につけていると言ってよいでしょう。
今回ご紹介する事例は、「偶然成績が上がった」という子どもではありません。
どんな子も成績のアップダウンは付きものですが、ダウンしても必ず上げてくる子どもの特徴です。
では早速、4つのポイントを見ていきましょう。
- 学習習慣が身についている
- 取り組み方が一生懸命
- 周りの大人(特に親)に褒められているか、認められているか
- 素直に自分の間違いや失敗を認めている
それぞれの項目について、順番に説明していきます。
① 学習習慣が身についている
まず、伸びる子は小さいころから勉強する習慣(=学習習慣)が身についています。
低学年でも、やらなければならない時には自然とスイッチが入り、勉強を始める姿勢が見受けられます。これは自然には身につきません。
日々、ご家庭で生活リズムを守り、勉強する時間がたとえ短くても、継続して行う。
つまり習慣化が成績を伸ばす大きな土台となっているのです。
これをお話しすると、「うちの子はもう中学生だから、そんなこと言っても・・」という声を持たれる方がいるかもしれません。
しかし、何歳であっても継続して物事をやり続ける姿勢が身につかなければ結果は実ってきません。大切なことは今、我が子にその「習慣」があるかどうか、なければどう習慣化させるかという視点です。
② 取り組み方が一生懸命
塾でテストを実施する際、子どもによって取り組み方は様々です。
テスト直前でも一生懸命見直したり、覚え直したりする生徒は、やはり成績が伸びる生徒の一群でしょう。少しでも良い結果を残したい、ケアレスミスを防ぎたい、学習したことをしっかりと点数に結び付けたいと何かしらの思考が働いているはずです。
この思考が生まれる根底には、おそらく「物事の取り組み方が一生懸命」という部分が関係していると思っています。
どんなに小さなことでも手を抜かず、一生懸命物事に挑戦することを勉強というフィールドで身に付けることで、結果、大きくなって社会に出た時の「ふんばり」につながると考えます。
人生の分岐点の1つともなる入試などでは、合格につながるまでにたくさんの小さな壁(=勝負)を乗り越えていかなければなりません。
子どもと接する中で、何事も一生懸命に取り組む姿勢や考え方を周りの大人、特に親が伝える必要があります。そういう意味では、子育てが子どもの世話をするというだけでなく、生きていくための術を教える重要な役割を占めているのです。
③「褒める」「認める」…実はすごく大切!
合格した生徒の保護者に聞いた、子育ての共通点
成績が伸びた生徒や志望校に合格した保護者様と懇談をした際に、「どのようにして子育てをされたのですか?」と質問することがあります。
その際、決まってほぼすべての方が「何も特別なことはしていません」と答えられます。そんなはずは・・と思いながらも話を進めていくと、ある共通の言葉が出てきます。
それは、「やりたいことを一生懸命させて、失敗しても成功しても褒めてあげた」というワードです。
忙しい日常の中で、褒めるチャンスを逃さない
今の子どもたちは褒められる回数やチャンスが少ないと思います。親も忙しいですし、必然的に忙しい日常に「褒められる」チャンスは失われてしまいがちです。
しかし、だからこそ「褒める・認めてあげる」は成績を伸ばすチャンスを生む大きなカギと考えます。
どんな人間も認められれば「やる気」が沸きます。それがモチベーションとなって「伸びる」という結果につながっていきます。
大切なことは、この「褒める・認めてあげる」チャンスを逃さないことだと思います。成績が伸びる子どもの保護者様は、きっとこのチャンスの際に褒める行動を行ったのだと思います。
子どもの中の「承認欲求」を満たしてあげる言葉がけが、実は大きな力を秘めているのです。
④ 素直に自分の間違いを認められる姿勢
最後は、大人でも難しい「素直に自分の間違いを認められる」というポイントです。
悪いことをした時を想定しがちですが、それだけではありません。例えば勉強において自分のやり方で限界を感じている時、他人からアドバイスを受けた時、素直に受け止め、それを改善材料として自分の中に取り込むことができるかという姿勢です。
中高生になると特にありがちですが、自分のやり方に執着し、それが良い結果に結びついていなくても何も思わず、ひたすらそのやり方を続ける…他人からアドバイスや指導を受けると、聞く耳を持とうとしない。
こうなってしまうと、伸びる方向には進みません。また社会に出てからのこのような行動は、人が離れていきます。
何事もいろいろなやり方や情報に目を向け、自分のやり方を見返して反省し、そこから改善する策を講じる動きが成功へのカギとなるはずです。
子育て“第二期”の指導法が、将来の分岐点
子育ては大きく二つに分かれると考えています。
第一期は生まれてから生活の仕方やルールを教える期間。
第二期は子どもの性格を踏まえながら、社会で生きていくうえで何を修正、改善、伸ばしていくかを教える期間。
お子様によって第二期がいつからスタートするかは異なるかもしれません。今まで子ども任せで、気づいたら中学生…ということもあります。
私が懇談や保護者様からのご相談でお伝えすることは、この「第二期」に対し、ご家庭で何ができるかということです。第二期の指導がお子様に定着し始めた時こそ、成績が伸び始めるということです。
今からでも遅くありません。今一度、お子様に目を向けてお子様のプラス面をしっかりと褒めながら、生活改善を始めてみてはいかがでしょうか。