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「KAPモデル」とは?~子供のやる気・行動力をアップする家庭でのアプローチ~

2020年11月18日生活習慣

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佐野太郎 創研学院 空港通校

KAPモデル…行動を変える3つの必要条件

今回は、ご家庭でも比較的簡単に実践できる子どもの行動を変える仕組み(行動変容理論・行動変容モデル)の一部をご紹介します。

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行動を変える!自己効力感の高め方

勉強しなきゃ…でもやる気が出ない

保護者

うちの子、家に帰ってもスマホばっかりなんです…。
なんとか勉強させてください!

そんなご相談を面談や電話にて保護者の方からよく頂きます。
そして、その生徒と話をすると以下のような返答が…

生徒

勉強しなきゃいけないっていうのは、わかってるんですよ~
けど、できないんですよね~

この場合、この生徒は行動を変える必要性を感じながらも変えることができない状態であると言えます。

自らの行動を変えるというのは簡単ではありません。
私にとってもそうですし、皆さんにとってもそうだと思います。

やる気が出ない受験生

特に高校生の場合、彼らの心の中にある一つのスイッチをポチッと一押しすれば突然やる気マンマンになるということはほとんどありません

しかしだからと言って、何もしないわけにはいきません。

行動変容理論を応用した自己効力感の高め方

こういったケースにおいて、私は前職(生活習慣病などに対する健康運動指導など)の経験から、科学的根拠に基づいた健康教育における行動変容理論を応用することによって対応しています。

具体的には、以下4項目を用いて生徒の自己効力感を高めます(1)

  • 自己の成功体験
  • 代理的経験(モデリング)
  • 言語的説得
  • 生理的・情動的変化

それにより行動が変わり、結果が期待され、成績が向上します。

【自己効力感の高め方】
生徒→(効力期待)→行動→(結果期待)→結果

対策1:その行動をとると望ましい結果に繋がると期待させる
対策2:その行動をうまくやることができると期待させる

(1)自己の成功体験
(2)代理的経験
(3)言語的説得
(4)生理的情動的変化

現場ではそのほかにも、以下のような私の中の知識と経験と情熱を総動員して対応しています。

  • KAPモデル
  • 変化のステージモデル行動意志モデル(計画的行動理論)
  • ストレスマネジメント
  • PRECEDE-PROCEEDモデル
  • シーソーモデル
  • カウンセリング、コーチング(傾聴)(1)(2)(3)

今回はその中でも古典的ながら最も理解しやすく、ご家庭でも活用できるKAPモデルについてお話しします。

受験勉強に応用できる、KAPモデルとは?

KAPモデルは健康教育において開発されたものです。

例えば、「タバコはからだに悪いのだから止めなさい」と言うのは簡単。でも、「タバコを止められないのはなぜだろう」「わかっちゃいるけど止められない」…ですよね。これを科学的に研究していくところから「健康(保健)教育」は始まります。(4)

「将来のために勉強しなきゃならないのはわかるけど、なかなかできない」という受験勉強の場合とよく似ていますね。だから健康教育のモデルが受験勉強にも応用できるのです。

「KAPモデル」とは、知識(Knowledge)態度(Attitude)行動(Practice)の3つの頭文字をとったものです。そして、この順番を経て行動が変化します。(1)

以下では、この順番にそって受験勉強に当てはめて説明していきます。

知識(knowledge)

まず、知識(Knowledge)ですが、これは受験勉強では「受験の仕組み」や「将来の職業」、「進学したいと思う学校の内容」などなどです。

何も知らない状態では、何もしようがありません。本当にそれが自分にとって必要なのか、興味のなることなのか、正しいことなのか、これらがわからなければ人の心は動きません。

また、正しい情報により「このままでは志望校に合格できない」ことを把握することによって、危機感が芽生えます(事実の暴露)。

しかし一方的に「これは絶対正しい!」と押し付けても、そこには必ず限界があります。生徒に正しい情報をキチンと把握させることによって、心が動く準備ができたと言えるのです。

態度(Attitude)から行動(Practice)へ

次に、態度(Attitude)です。これは、心の問題です。

正しい情報によって受験に対する危機感や学習の必要性が芽生え、学習に取り組む姿勢、すなわち態度(Attitude)が変わります

この過程を経ると、最後の行動(Practice)までノーストップです。ほぼ自動的に行動が変容します。

このように、「KAPモデル」は非常にわかりやすく、オープンキャンパスに行ってみたりするなどご家庭でも家族が一丸となって取り組むことができるモデルだと思います。

K(知識)A(態度)P(行動)
・何も知らない
・何も出来ない
・受験の仕組み
・将来の職業
・進学したい学校
・受験に対する危機感
・学習の必要性
・学習への姿勢
・過去問を解く
・オープンキャンパスに行く
・先生に話を聞く

ご家庭でも特に知識(Knowledge)のステージを活用してみてください

なぜなら子どもの態度や行動に悩みを抱えていらっしゃる場合、そちらにばかり気を取られ、知識のステージを見ていないことがよくあるからです。

例えば「受験の仕組みなどを知っていくことによって、自分が何をしなければならないのか明確になり、態度のステージに入りやすくなる」といった具合に改善する可能性があります。

KAPモデルは完璧ではない

以上のように「KAPモデル」はわかりやすく活用しやすいモデルです。しかし残念ながら完璧といえるものではありません。

態度変容を妨害する「知識による損得勘定」

KAPモデルの欠点、それは知識の習得が必ずしも態度の変容に結びつくわけではないということです。

知識にはポジティブなものとネガティブなものがあります。
例えば「なりたい職業につく可能性が高くなる」「将来的な安定を得られる可能性が高くなる」などのポジティブな知識と、「失業したくない」などのネガティブな知識から、将来に対する希望、興味、脅威が生まれ、勉強するという動機が生まれます。(5)

他方で、「勉強すると遊ぶ時間が減る」「勉強すると疲れる、苦痛だ、つまらない」といったデメリット(本当のデメリットではないですが)との損得勘定があり、態度の変容を阻害します(3)

知識を得たために「やる気」より「あきらめ」が勝ってしまう

つまり、「このままでは志望校に合格できない」という現状を知ってしまうと(事実の暴露)、やる気よりもあきらめが勝ってしまうことがあるのです。

欠点を補う第三者の必要性

この阻害要因を乗り越えるために、生徒の心に対して働きかけ、認知や信念を確固たるものにしなければなりません。

しかし、この「事実の暴露」の部分に関しては、心情・感情的な微妙な好き嫌いなども影響してくるので、家族だけではなく、経験や知識をもった第三者が必要になってくると思われます。

もし、ご家庭でうまくいかない場合は、そういった経験をもった塾などを活用してみてはいかがでしょうか。

実はKLCもステージモデル

弊社が岡山県を中心に展開している進学塾にKLCセミナーがあります。この「KLC」も実はステージモデルになっています。

KLCは「知識(Knowledge)」「学習(Learning)」「創造(Creative)」の頭文字をとったものです。

塾の仕事は「知識(Knowledge)」「学習(Learning)」のお手伝い。そこから、生徒たちの豊かな創造力が発揮されていくのだと思われます。

KAPモデルでも、塾のお手伝いは知識(Knowledge)と態度(Attitude)。特に、態度に対する働きかけです

お困りの際には、是非是非、創研学院、KLCセミナー、ブレーンへお問い合わせください。

参考文献

(1)日本健康教育学会編 「健康教育ヘルスプロモーションの展開」(保健同人社)2003
(2)宗像恒次 「最新 行動科学からみた健康と病気」(メヂカルフレンド社)1996
(3)橋本佐由理 「動機づけ理論」(日本保健医療行動科学会)
(4)山田浩平 「愛知教育大学 高校生のための研究紹介」
(5)公益財団法人 健康・体力づくり事業財団 「健康日本とは 各論 付録」

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この記事を書いた先生
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創研学院 空港通校 講師 佐野太郎 記事一覧

高校・大学7年間ボート部に所属。大学院博士課程(中退)、ベンチャー企業でのサラリーマン(営業、企画)を経て、地元松山にて塾講師に。

担当講座は、一斉指導では高3理系二次対策数学(医歯薬難関向け)、高3共通テスト対策(数学ⅠA、ⅡB、物理)、高2数学、高1数学、中3社会。
個別指導では、高校生は数学、物理、小論文、中学生は全科対応。

趣味は読書、買い物、食べ歩き。