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算数が苦手な小学生に多い、3つの間違いポイントとは?単位のつけ忘れには要注意!

2019年12月5日小学生,算数・数学

小川大輔創研学院 牧野校

理系人材のニーズが高まる現代において、私たち塾講師の役割は何でしょうか?それは、「理系ばなれ」を阻止すること、一人でも多くの生徒に算数・数学に興味を抱いてもらうこと。しかしながら、日々塾で指導しておりますと、算数・数学が苦手な生徒があとを絶ちません。

今回は、指導を通して見えてきた『3つの共通点』を紹介させて頂きます。
もしお子さまに下記のような様子がありましたら、黄色信号です!

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ポイント① 小数や分数がわからない

小学校の高学年になると、小数や分数を本格的に学びます。なじみのある整数とは異なり、感覚的にわかりにくいようです。

小数について

まず小数については、例えば教科書にはこんな問題が出てきます。

2.45は、0.01を何個集めた数ですか。

ここで問われていることは、「位取りの理解」です。

2は0.01が200個、0.4は0.01が40個、0.05は0.01が5個。以上から、2.45は、0.01が245個となります。これまでも10の位や100の位といった位取りの考え方は学んできているはずです。しかしながら、その理解が不十分だと、ここでつまずいてしまうことがあります。

分数について

分数で小学生が一番苦労するのは、間違いなく「通分」です。

たとえば、5分の2という分数があったとします。
これは、1つのものを5つに分けたうちの2つ分という意味になります。それに4分の3をたすことを考えると、そもそも分け方が異なるので、そのままでは計算できないことに気づくはずです。

一見当たり前のようですが、その後に「分数のかけ算」「分数のわり算」を学ぶと、子どもたちは急に「通分」ができなくなります。

また、小数と分数はお互い変換ができます。5分の2なら0.4、4分の3なら0.75といった具合です。これもつまずきやすいポイントになります。

小数と分数の登場で、小学校の算数は一気に高度になります。注意してあげてほしいところです。

ポイント② 単位のつけ忘れや間違いが多い

小学生を指導しておりますと、単位を書かない生徒に出会います。「文章問題を式にして、計算して数字を書いておしまい」となっているのです。これは出てきた答えが何を表しているのかをしっかり考えておらず、危険な状況と思われます。

低学年のうちは、それでも「おしい!」や「あと一歩!」と済まされて、大きな問題にならないかもしれませんが、高学年になるとそうはいきません。

「単位量あたりの大きさ」を例に挙げて、次のような問題を見てみましょう

こんでいるのはどっちかな?
(A)プールの面積:450㎡、人数:36人
(B)プールの面積:520㎡、人数:40人

この問題には、大きく分けて二つの解き方があります。

解き方①『1㎡あたりで考える』⇒単位は【人/㎡】

(A)36÷450=0.08
(B)40÷520=0.076・・・(割り切れない)

解き方②『1人あたりで考える』⇒単位は【㎡/人】

(A)450÷36=12.5
(B)520÷40=13

混んでいるのはどちらでしょうか。もちろん(A)です。

普段から単位をしっかりと意識していないと、ここで混乱してしまいます。この問題は「人口密度」や「農作物の収穫量」などを題材にして出題されることもあります。

ポイント③ くふうして計算しようとしない

次の計算問題を、お子さまはどのように解かれますか。

2500×2.4

まず、大まかには、2500を2倍して「5000」、2500を3倍して「7500」、答えはこの間の数字かなという感覚を持ってほしいところです。

具体的な計算方法ですが、「普通に小数のかけ算をする」ことはもちろん大切です。それ以外にいかがでしょうか。

たとえば、こんな計算方法があります。

2500×2.4=250×24なので、25×24=600をして10倍する。

答えは6000となります。前述の位取りの理解があれば、小数点の移動もスムーズに行えます。

そして、一番のお勧めの計算方法を、以下に紹介させて頂きます。

2500×2.4=250×24=250×4×6=1000×6=6000

普段からくふうして計算しようとする姿勢はとても大切です。数字に興味を持ち、きっと計算が楽しく感じられるようになるはずです。

以上が算数・数学が苦手な生徒の多くに当てはまる共通点です。

実は、これらの3つのポイントが全て登場する単元があります。それは、『割合』と『速さ』です。

『割合』と『速さ』の単元は、多くの子どもたちがつまずきやすい単元でもありますが、裏を返せば、この『割合』と『速さ』がしっかりとマスターできていれば、算数の基礎力は十分にあると言えます。

小学校でこれらの単元を学ばれる際は特にご注意いただきたいと思います。

一度間違って身につけた癖は、簡単には直せない

間違って身につけた癖は、非常に厄介です。
数学の苦手な中学生からよく、「算数の復習をしてほしい」という声を耳にします。「小学生の内容だから、簡単に復習できる」と思われるかもしれません。しかしながら、そう簡単にはいきません。

数学の苦手な中学生は、例外なくみんな小学校の算数でつまずいています。一種のトラウマのようになっていて、一から教えることよりも、膨大な時間がかかります。

今から、筆跡や口癖を改めることを想像してみて下さい。そう簡単にできないことがわかると思います。勉強で身についた癖も同様なのです。

何事も最初が肝心です。算数では、正しく理解した上で、何度も繰り返し問題演習をして、定着させていくことが、どうしても必要になります。

算数が苦手なまま、中学生に上がってしまったら

中学生になると、授業のスピード・学習内容が大きくレベルアップします。クラブ活動や学校行事もあり、中学生は忙しい生活を送っています。

さらに、多くの場合は複数の小学校の生徒が一つの中学校に集まりますので、友人関係も複雑になります。もちろん9科目の定期テストが実施されます。

そんな状況下で、「算数の復習をすること」は本当に難しいことです。

算数克服のチャンスは、「高校受験」です。中学3年生になり、高校受験が迫ってきますと、誰しも勉強への集中力が高まります。「うちの子は全然勉強しません。」とおっしゃる保護者さまもいらっしゃるかと思いますが、中学1年生や2年生のときを思い返して下さい。お子さまは必ず成長されています。

受験勉強を機に、数学を頑張らせてみてはいかがでしょうか。もし、私立中学校に通われていて、高校受験がない場合でも、学習塾を利用して、高校受験クラスに混ざるという方法はあります。ご相談下さい。

なお、中学1年生や2年生のうちは、目の前の定期テストに集中すべきです。数学を勉強しながら、その単元で必要な算数の知識を補強していくスタイルが現実的かと思います。

以上となります。ご一読頂きまして誠にありがとうございます。お子さまの算数・数学の学習の一助になれば幸いです。

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この記事を書いた先生
創研学院 牧野校 校長 小川大輔 記事一覧

真剣に勉強する子どもたちの姿は、とても素敵です。
子どもたちに将来の選択肢を提示してあげることも私たち大人の大切な仕事。
「勉強を教え、夢を見せる」 そんな憧れの講師になるべく今日も授業をします。