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子供の勉強時にケンカにならない、やる気を引き出す魔法の言葉とは?

2019年10月9日家庭学習,褒め方・叱り方しつけ,褒め方,親のサポート

吉川真梨個人別指導塾ブレーン 伊丹西野校

個別指導塾においては、お子様それぞれの個性を活かしつつ、それぞれに合った授業をさせていただいております。授業の前後、子どもたちが聞かせてくれるお話もそれぞれ個性があり、学校生活やご家庭の様子が垣間見えます。

ときどき、ご機嫌斜めで塾にやってくるお子様もいます。あくまでも塾は勉強での成長を促す場所ですので、いきなり生活について立ち入るような質問はしません。ですが、いつもと様子がちがう、勉強の取り組み方が違うと感じたときにはご家庭にご連絡してお話しを聞き、ご相談に乗ることもあります。

今回は、お子様とそのご家族、どちらにも寄り添う塾講師だからこその視点で、特に小学生のお子様が、なかなかご家庭で言うことを聞いてくれないときの対処法をお伝えします。

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この言葉が効く!勉強時にかけてあげたい3つの言葉

では早速小学生のお子様に効果的な3つの言葉をご紹介します。

「よく頑張ってるね。なにか困っていることはある?」

勉強だけでなく、お子様が一人で何かを頑張っているときにはそれをまず認め、お子様からの意志を引き出すような声かけをしてみましょう。

もし、お子様をごらんになって、何か間違ったことをしているように見えたときにも、まず「困っていることある?」と聞いてみるのをおすすめします。

「もう一度よく見てみたら?」

たとえば漢字の間違いや計算ミスにおうちの方が気づかれたときには、「間違っている」と指摘する前に、自分の力でよく見るように促していただければと思います。
小学生のお子様にとっては、間違ったということ以上に「自分で気づくことができた」ことへのうれしさと自信がもっとがんばろう!という気持ちにつながります。

そして「自分で気がついた」よろこびをおうちの方と共有することで、のびのびと自分から勉強や努力を楽しむようになるケースもありました。

「今日は何時まで頑張る?」

保護者の方からのご相談内容としていちばん多いのは、やはりお子様の勉強時間が短いということです。自分から進んでもっと勉強してほしいという願いは親ならば誰もが感じる願いだと思います。

ですが、「勉強しなさい、早く宿題をしなさい」と言って、素直にそうしてくれることはなかなかありません。勉強するかしないかの二択と考えてしまうと、小学生はほとんど「勉強したくない」と言いますよね。

そこで、ご家庭では、勉強「する」ことを前提として「何時まで勉強するか」にしぼったお声かけをおすすめしますぜひお子様と、「今日は〇時まで勉強する」と約束してみてください。

実はこれには、お子様に勉強時間を促すこと以上に、大切なポイントが隠れています。

それは、お子様自身で「自分がなにを勉強すればいいか」と、勉強ペースや時間配分を気にかけるようになることです。学校の宿題、塾の宿題は、もちろん十分な量があるほうがいいのですが、取り組むペースには個人差があります。宿題をすべて終えてしまってやることがないとき、「じゃあ遊ぼう、自由時間にしよう」とご褒美の時間にしている人も多いのですが、そうすると「何を勉強するか自分で考えてみる」という機会が少なくなりがちです。

「約束の時間まであと30分あるけどどうする?」と聞いてみていただくと、お子様の興味や関心がよく引き出されます。例えば、小学校高学年の生徒さんが図かんを読んでみたい、英語を読んでみたい、国語の少し難しい問題集にチャレンジしてみたい、など少しずつおうちの方にリクエストするようになったとのお声を伺ったこともあります。

母親だから言ってしまう…!お子様の「後悔」

先日、こんなことがありました。

先生  「〇〇くん、どうしたの?体の具合が悪いの?」
生徒さん「…ううん。」
先生  「大丈夫?」
生徒さん「うん … 。あの … 今日ママとけんかしちゃって」
先生  「うん」
生徒さん「学校の宿題の丸付けをママに手伝ってもらっていたんだけど、計算ミスが多くて怒られて … 」
先生  「そうか … 」
生徒さんミスした計算ももう一度やったらちゃんと合ってたのに、それでも“どうして一回でできないの?”って怒られて、それで言い合いみたいになっちゃった
先生  「計算ミスそのものはもちろんない方がいいし、一回できちんと正解した方がいいよね」
生徒さん「うん … 。それで、問題集の計算をやりなさいって言われたんだけどやる気がなくなっちゃってやらなかったから、もっとケンカになって」
先生  「そうか。そんなときほど、勉強したほうがスッキリするものだよ」
生徒さん「分かってる。先生に言われたらなんとも思わないのに、なんでママに言われたらケンカになっちゃうんだろう
先生  「頑張ったよってわかってほしいのかな?」
生徒さん「たぶん。もう … ケンカするんじゃなかったなぁ。だって、また計算も漢字も丸付けを手伝ってもらわなくちゃいけないのに … 」

相手が親御さんだからこそ、他では我慢できていることもつい強気に言ってしまうことがよくあります。言い換えれば、おうち以外ではしっかりと我慢できているということになります。

しかし、毎回おうちでの機嫌が悪かったり、八つ当たりされていたら親御さんも困ってしまいますよね。

小学生の「ストレスの原因」とは?

小学生のストレスの元は、大人から見れば大したことないかもしれません。しかし当の本人たちにとっては大問題なのです。誰かとテストの点数や足の速さを比べて落ち込んでいたり、みんなと違うことで悩んでいたり、小さなことでも本人は気付かずストレスとして抱え込んでいる場合があります。

ストレスの感じやすさはお子様それぞれですが、どんな場合でも「自分の頑張りを認めてほしい」「褒めてほしい」という思いが根底にあります。たとえば先述の「計算ミス」も、お子様ご自身も自分の失敗をよくわかっています。それを「きちんとやり直した」という頑張りを、褒めてほしがっているのです。

※もし本人が「どうせただの計算ミスだし・・・」と、やり直しを逃げてしまっているようでは、もちろんきちんと叱らないといけません。ミスは無自覚な「クセ」だけに、指摘されたときに素直に受け止め、ふだんの勉強の仕方からよく改めなければ、中学生・高校生になってもなかなか直りません。

言ってはいけない『非難の?(ハテナ)』

突然ですが、ここで国語の問題です。

いま、何時ですか?

という声かけにはどんな意味が含まれるでしょうか。

A1 「時間を教えてほしい。時間を確認したい」
A2 「時間に遅れているのになぜ気がつかないのか。急ぎなさい」

どちらも正解です。

しかし、それぞれの言葉に込められた思いはずいぶんと違います。ただの「質問」なのか、それとも「強い非難」なのか、受け取る側も相手の表情や声のトーンで判断せねばならず困ってしまうことがあります。

例えば、お子様が朝寝坊したり、習い事などに遅刻しそうなのにのんびりしたりしているとき、

いま何時だと思ってるの!?

と声を荒げてしまうことありませんか?

お子様もすぐに「叱られた」と気づいて「ごめんなさい」と言ったり、口に出さなくても、悪いことをしてしまったと自覚します。このようなときの質問文を、私は「非難の"?"(ハテナ)」と呼んでいます。

ついつい叱るときに使いがちですが、ご家庭ではとくにさけていただきたい言葉の一つです。お子様はだんだん、どんな “?"(ハテナ)を聞いたときにも「叱られている」と思い込んでしまうようになります。

非難の"?"は子どもの自己解決力にも影響する

塾講師から生徒さんに「どうしてそう思ったの?」など「質問の"?"(ハテナ)」を投げかけることがあります。問題を解き間違ったとき、計算などのミスをしたとき、そして近い将来高校や大学などの進路選びのときなどです。

そんなとき、小さい頃からいつも「非難の"?"」を聞いているお子様は、「質問内容をしっかり聞く力」「対話する力」「相談しながら自分で解決する力」がなかなか身についていません。ただの「質問の"?"」に対しても、大人から非難されているのだと思い込み、自分の意見を言わずに黙り込んでしまったり、逆にすぐに「すみません、ごめんなさい」と謝ってしまったりする生徒さんもおられます。

「なんで〇〇なの?」「どうしてこんなことをしたの?」という言葉は、非難ではなく質問のときだけにすると、お子様の思考の成長にも大きくつながります

ここまでのまとめ

  • 親御さんと同様、お子様も「後悔」や「悩み」があるということを分かってあげる
  • まず子どもの頑張ったことを褒めてあげる。指摘するのはそのあとに
  • 「非難の?(ハテナ)」はできるだけ避ける
  • 3つの質問でサポートする

最後に:日々の小さな変化を伝えてあげてください

塾に通われている生徒さんを長年見させていただいておりますと、学年問わず、どんなお子様も勉強を頑張ろうと思っておられます。得意な科目は楽しく感じられ、ニガテな科目が克服できないと気分もふさぎこみがちです。
さらに、「できない」ことを大人から指摘され続けてしまうだけの勉強になってしまえば、本当の勉強のおもしろさや楽しさを感じられるチャンスも限られてしまいます。

お子様の勉強に対する姿勢は、お子様自身が「自分はどんな勉強をしたいか」を見つけられると大きく変わります。すぐには変化がないように見えても、毎日の少しずつの取り組みは必ず身を結びます。だからこそ、ご家族がお気づきになる小さな変化を、ぜひお子様にお伝えいただければと思います。

お子様の勉強は、やはり親御さんのサポートとご理解が不可欠です。
成績UP、志望校合格はもちろんのこと、「できた」「わかった」「自分でもっと勉強したくなった」という自信が積み重なって成長につながります

塾はあくまで勉強をサポートさせていただく場ですが、我々もお子様のご成長を常に見守り、応援させていただいております。
お子様のいい変化もそうでない変化も、それを支えるおうちの方のお悩みも、一緒に分かち合いながらお子様の成長を共に見守る存在であり続けたいと思います。

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この記事を書いた先生
個人別指導塾ブレーン 伊丹西野校 副校長 吉川真梨 記事一覧

2012年から個人別指導塾ブレーン伊丹西野校にて指導。お子様それぞれの個性をしっかり把握し、「お子様の勉強における強み」を活かしつつ、実力UPの方法をアドバイスさせていただいています。

また、保護者の方からの、お子様の家庭学習についてのご相談もいつでも受け付けています。日本語教育能力検定に合格(2011年)し、日本語学校での外国人留学生に対する日本語指導、大学・大学院進学指導の経験も。
趣味は茶道、能楽、名探偵コナン。

【担当科目】国語・英語・小論文・面接指導など
【担当学年】年長〜高校生、大学受験生(国公立大、私立大ともに一般入試、AO入試、各種推薦入試合格指導)