【高校受験】合否を左右する内申点の話。中2で知ってほしい、受験の仕組みと内申を上げる3つの方法
神奈川県の公立高校の入試日は2月の1回のみ。合否の分かれ目は、もちろん学力検査の出来不出来に大きく左右されます。
しかし、神奈川県の高校受験では、大学受験や中学受験と異なり「内申点」が合否、そして志望校選びを大きく左右しています。
今日はそんな「内申点」を追っていこうと思います。
志望校は「中2」で決まってしまっている!?
志望校探しに真剣に取り組むのは中3からでいいよね…
このように思っている方は多いのではないでしょうか。
《そんな考えをお持ちの中学生を一人でも救いたい…!》
そうです、そのような考え方をしていると、ピンチに陥る可能性があります。なぜなら…
公立・私立共に、中学2年生の内申点で、おおよその「志望することができる学校」が限られ始めているからです。
入試における内申点の計算方法
神奈川の公立高校は、学力検査・調査書の評定(以降『内申点』と表記します)の合計点(一部の学校は「特色検査」も)で選抜をおこなっています。
そのうち内申点は
中2の9教科の内申点の合計+中3の9教科の内申点の合計×2
という計算式で算出される値を用います。
内申点がいわゆる「オール5」の場合、
2年9教科合計=45、3年9教科=45×2=90、となり合計135。
この135点が満点となります。
もし通知表が手元にある場合、9教科を合計して3倍してみてください。
それが公立高校入試で用いられる点数と考える事ができます。
高校別内申点の目安
交通の便や制服のおしゃれさ、学校行事、進学実績などを調べて目標校を絞り込んでいく際に忘れてはいけないのが内申点の存在です。
学力検査は中3の2月に行われますが、内申点を決める評価は中2の4月からスタートしています。入試は中2で始まっているのです。
内申点が不足する場合
自身の内申点と表を照らし合わせていくと、志望校へ内申点が足りていない場合不安を覚えることもあると思います。目安を超えている場合、素晴らしいです!維持・向上を目指しましょう!
前述したように、公立高校の選抜は学力検査・調査書の評定(内申点)の合計点で行われます。内申点が不足している場合、学力検査で挽回を狙う事となります。
内申点1つ分に相当する学力検査の得点は、高校によって変わります。
学力検査を重視する高校は2.47点(以上)、学力検査と内申点のバランスを重視する高校は3.70点、内申点を重視する学校では5.56点(以下)が内申点1つ分に相当します。
以下の表は令和5年度の学力検査の合格者の平均点です。
英語 | 国語 | 数学 | 理科 | 社会 |
55.3 | 75.1 | 53.0 | 51.0 | 58.4 |
平均点が低く、厳しい入試であることが伺えます。
内申点を挽回するチャンスはあるのですが、学力検査当日に更にプレッシャーを背負う事になります。
私立高校を考えている場合、内申点対策はさらに急務です。多くの私立高校の選抜方法に、内申点の基準が設けられているからです。その基準を下回る場合、出願ができません。
内申点多く持つ事は公立・私立の志望校選びの幅を広げる事に直結し、逆もまた然り、と言えます。
また、第一志望校合格向けて大きいアドバンテージを持つ事にもなります。
内申点に関わる2021年施行の大きい変更
内申点を多く持つ事が志望校合格ひいては学校選びにおいて重要であることを説明してきました。
その内申点に関して神奈川県では2021年に大きな変更がありました。
「定期テストを頑張る」だけではダメになった!
5や4といった内申点の決定は「観点別評価」をもとに行われます。観点毎にA〇=5点,A=4点,B=3点,C〇=2点,C=1点として、それらの組み合わせで内申点が決まります。
2020年までは、観点が
「関心・意欲・態度」・「思考・判断・表現」・「技能」・「知識・理解」
の4つでした。
「関心・意欲・態度」は授業での発言や行動、ワークシートやレポートの作成・発表、定期テスト毎の提出物といった学習活動で評価され、「思考・判断・表現」・「技能」・「知識・理解」は定期テストなどで評価されていました。
4つの観点のうち3つが定期テストでの評価になるため、定期テストの出来不出来と内申点の点数にはある程度の相関性がありました。定期テストが90点超えるとおおむね5だろう、と予想がついたのが2020年までの評価制度でした。
2021年から
「知識・技能」,「思考・判断・表現」,「主体的に学習に取り組む態度」
の3観点に整理されて示されました。
一番大きい変更点は、「定期テストの評価の比重が落ちた」事です。
旧制度では4観点中3観点が定期テストにウエイトを置く状況であったことに対して、新制度では3観点2観点と割合が落ちました。
さらにその観点の中身を見ていきましょう。以下はある中学校の実際の観点別評価項目の一例です。
知識・技能 | 思考・判断・表現 | 主体的に学習に取り組む態度 |
前期中間テスト 前期期末テスト 小テスト① 小テスト② | 前期中間テスト 前期期末テスト 授業評価 小テスト① 小テスト② 前期中間テスト直しノート 前期期末テスト直しノート | 各単元授業への取り組み 宿題への取り組み 前期中間テスト直しノート 前期期末テスト直しノート |
ご覧いただけるように、各観点内に授業中や家庭学習で行う内容が多く取り入れられている(太字)事が分かります。
定期テストの総合得点と評定は比例するとは限らなくなった、つまり「日々の小テストや提出物・レポートの重要度が大幅に上がっている」ということです。
「定期テストが近づいたら勉強を始めよう」や「中3になってから…」といった考えは、 「主体的に学習に取り組む態度」からは程遠いです。
定期テストだけ頑張るタイプの中学生は内申点を上げる事が厳しくなり、定期テストはあまり自信がないが日々コツコツ頑張れるタイプの中学生が評価されやすくなったと言えるでしょう。
内申点を上げる3つの行動
さて、ここまでの話を受けてここからは第一志望校合格へ向けて内申点を上げていくための行動を3つお伝えしたいと思います。
目標校を明確にする
将来の夢…まだ無いな…
高校でやりたい事はまだ決まっていないな…
これは多くの中学生が持つ悩みだと思います。
中学生は特に将来の可能性溢れる時期ですので、高校を選ぶにあたってなかなか絞り込めない事もあるでしょう。
しかし、来るべき高校受験に備えて、よりよい高校選びの選択肢を持つために目標校を明確にする事はとても大事です。
「家が近い、部活動が強い、校舎から海が見える…」手始めにはこんな探し方でもいいと思います!
この高校に行くにはどれくらいの内申点が必要なのか、その為には何の教科のどの観点を頑張ればよいのか、が次第に明確になっていきます。
「今日何すべきか」をハッキリさせてみましょう!
もし、具体的な高校があまりピンと来ない場合、まず「オール4」を狙ってみましょう!
オール4、すなわち36。入試の点数に換算すると108。108前後には多数の高校が位置しています。
オール4を目指す中で、きっと第一志望校が見えてくるはずです!
作戦を立てる
目標校が明確になる、頑張ろうと決意した後は「何」を「どう」頑張れば良いのか、一度作戦を立てる必要があります。まずは今の自分の成績を知ることから始めましょう。どの観点がどんな評価なのかもう一度確認してみましょう。
内申点(評定)は各観点の評価の合計点で決まります。
例えばある教科が
「知識・技能」 …B(3)
「思考判断表現」 …B(3)
「主体的に学習に取り組む態度」…A(4)
であった場合、合計点が10点。したがって左表より内申点は「3」となります。
しかしただの「3」ではありません。あと1点で合計点が10点となり、内申点が「4」になる惜しい「3」です。これに気付く事が出来れば、やる気も出てくるのではないでしょうか。
上記の例で言えば、頑張る観点は「知識・技能」になります。
「知識・技能」は小テスト・定期テストにおける漢字、英単語、定義など暗記項目、英文法、計算など基礎分野に該当します。
「次回の授業の漢字テストで満点取る」や「定期テストの計算問題は間違えないようにする」といった具体的目標が生まれ「毎日漢字を5回書く」や「学校ワークの計算問題はノートに2回解く」などといった学習が思い付くところでしょう。
実行を重ねる
最後に一番大切な事が、とにかく「実行を重ねる事」です。
どうにかして内申点上がらないかな…と日々コツコツ学びを重ねましょう!
オススメ学習法は「寝る前5分復習」です。
寝る前の5分間で、今日学校で何時間目に何の教科の何を習ったか詳細に思い出してみてください。
しっかり思い出せる場合…記憶は定着していき理解が深まっていくでしょう。
思い出せない場合…授業の受け方を変える必要がありそうですよ。
入試に用いられる成績に、中1の内申点は含まれません。過去は気にするな!
中3の内申点は2倍して計算されます。中1・中2での失敗は中3で十分取り返せるぞ!
ここまで読んでくれてありがとう!
悩める中学2年生(もちろん1年生も3年生も!) をいつでも応援しています!