「エビングハウスの忘却曲線」から分かる効率的な復習のタイミングとは?
復習の効果をより高めるために知っておきたい知識、それが「エビングハウス忘却曲線」です。
今回は個人別指導塾ブレーンの谷中先生に、効果的な復習のタイミングについて伺いました。社会人の方だけでなく学生の方にも分かりやすくお伝えします。
復習を忘れる者は、中学受験に失敗する?
――谷中先生、今日はお時間ありがとうございます。
いえ、とんでもありません。
――「中学受験」…特別な挑戦、特別な事をやらないと達成できない…そんなふうにお考えの保護者の方々も多いかと思います。
はい、そうなんです。確かに「特別な学習」は必要です!だから、「特別なことはこうですよ!」というヒント・ノウハウをご覧になられたい保護者の方が多いと思いますが…
私どもは、「特別な挑戦」という言葉の裏に、「こなすべき積み重ね」があることを忘れてほしくないわけです。
――それが「復習」ということなんですね?
はい。「忘却曲線」という言葉を、ご存知でしょうか?
といっても、「忘れやすさを示すもの」ではなく、「覚え方」を数値化したグラフなんですが。
その日に行った勉強を、エビングハウス忘却曲線に合わせるとこうなります。
――こんなに落ちていくんですか???
そうなんです。何もしないことで、ここまで抜け落ちてしまうのです。
――「復習」をしないことは、何もしなかったのと同じことではありませんか?
その通り。では、いつ復習をするのが良いのでしょうか?
よく、「曜日を決めて、火曜日の勉強は木曜日に復習」のように、毎週決まった曜日に復習している生徒さんがいます。しかし、このやり方では……
そうです、忘却曲線をご覧下さい。大半が抜け落ちたあとに復習をしても、また1から勉強するのと同じになってしまいます。
――これは、すごい大切な考え方ですね! 忘却曲線…復習のタイミングなんて考えたこともありませんでした…汗
要は、「忘れる前に復習する」そして「忘れるタイミングで復習する」ことこそが大切なんですよ!
――なるほど。こういった流れで復習をすることで、学習したことは、高い割合で記憶に定着するわけですね?
そうです。
そして記憶に定着させる上でおすすめの方法はこちらです!
- 授業後すぐに復習する
- 就寝前に復習する
授業が終わって、1~2時間後に軽く復習する。
ポイントの一つ目は、「授業が終わって、1~2時間後に軽く復習する」です。
つまり、急激に忘れる2時間以内のタイミングで軽く復習すること。
こうすることで、忘れることを防げるんです。 また、覚えたことの定着がよりスムーズに行えますね。
就寝前に復習する
ポイントの二つ目は「就寝前に復習する」です。
寝ている間に記憶が定着するということはひとつの定説になっています。寝る前に一教科15分復習を行い、定着を図ります。
――寝てる間に全部忘れてしまう気がして、寝る前は暗記科目は避けていたんですが、そうではないんですね!
はい。この2回を復習のスケジュールに取り入れれば、さらに高効率で記憶に定着させることができます。
学者さんがしっかりとしたデータで証明していることなので、とても参考になります。
――なるほど〜。これは是非とも実践してほしいですね!
「日常の復習」は「ただ量をこなせばいい」というものでもありません。
正しい復習の方法を、適切な時間、的確なタイミングで行うことができれば、その積み重ねは、大きな差になりそうですね。
エビングハウスの忘却曲線を参考に、忘れてしまう前の効果的な復習を心掛け、効率よく知識を定着させていきましょう!