【東大京大】難関大合格者の小学生時代に共通する学習法!「論理的思考」「得意科目」はこうして作る!
東大・京大・東工大・一橋・早稲田・慶応などの難関大合格は難しく、早い段階からあきらめているお子さんも沢山います。また逆に、現在の実力がどの程度なのかもわからず、とりあえず難関大を志望する方もまた多いように思います。このような状況では合格できるだけの資質を持ったお子さんも合格しづらくなるでしょう。
世間で言う難関大合格のためには「必要な考え方や行動」が必ずあります。私は塾で指導しておりますが、今まで指導した生徒の中である程度余裕を持って難関大に合格した生徒は、どのように考え行動していたかについて、お伝えできればと思います。
小学生の段階から「根拠・論理」のある学習を行う
根拠や論理を理解している生徒はごく少数
難関大は「問題の難易度が高いこと」ということは、皆さんも理解されていることだと思います。では、難易度が高い問題とはいったいどういう問題なのか。
それは、学校で習った内容を根拠も含めて理解し、その上で「思考」「判断」し解法を導き出す問題であると言えます。
「学校で習った内容くらいであれば十分理解している」と判断される方も多いかと思いますが、実際にそうでしょうか?数学や理科系を私は指導しておりますが、成績が良い生徒でも根拠や論理を理解して解答を導き出している生徒はごく少数しか会ったことがありません。
もちろん、関東や関西の有名私立中高一貫校に進学されている方ならばもっと多くの生徒が理解しているかもしれませんが、根拠や論理を明確に理解している生徒はそれでも少ないのではないでしょうか。
図形問題を大学入試ではどう解くか?
例えば、大学入試数学では図形の問題をどのように解法するのでしょうか。
解法の選択肢は大きく分類し、「ベクトル」「三角比」「関数に対応させる」「小中学での履修内容での処理」があると考えられます。ではそのうち何を選択すれば解答が導き出せるのか、という判断は、それぞれの選択肢で何が求められるのかを明確に理解していることで可能になります。
しかし、それらを理解しないまま演習を行うと、「矢印があればベクトル」と言うように短絡的に判断してしまうように思います。
- ベクトルを使う問題
- 三角比を使う問題
- 関数に対応させる問題
- 小中学での履修内容で処理できる問題
→ 根拠や論理を理解していないと、「矢印があるからベクトルを使えばいい」といった短絡的思考による判断ミスを起こしてしまう。
このように高校数学では「本来の導き出せるもの」が明確にわかっていることが、根拠や論理がわかる上で重要なのです。
他にも、理系教科では文字が多く含まれますが、その文字は求める必要があるのかそれとも定数なのかの判断も必要です。難関大では定数であることの説明がない場合が多く、自分で判断し解答します。これらも「本来導き出せるもの」がわかっていれば困ることはないのです。
中学受験問題に触れて、論理思考を養う
これらの内容は算数や中学の数学にも考えられることです。
特に中学受験の算数は、ほぼ四則計算だけを利用して思考していくことになりますので、何の値が必要でその値からどのような計算が必要かを明確にしなければ解答まで行き着きません。
つまり、「本来導き出せるもの」がわかって初めて解答にたどり着くのです。
したがって、中学受験をする・しないに関係なく、思考過程の幅がある中学受験問題に接することが根拠や論理が身につくと考えております。
言葉の丸暗記ではなく、意味の理解が重要
さらに、言葉の意味を考えることも重要です。
理科系の生物では光合成や化学合成など実態を理解する必要がある単語がありますが、小学生で習う光合成は漢字通りと言えます。つまり、光合成は「光で合成する」を短縮しただけです。
光を吸収し物質を合成するからこそ光合成と言われる訳で、合成された物質は小・中学生では「デンプン」、高校生では「グルコース(ブドウ糖)」と習います。
しかし、単語として丸暗記している状況では漢字の意味を考えることもなく漠然と覚えてしまうので、覚える量も多くなり「覚えきれない」となってしまうのです。
漢字での表現は意味を理解するにはわかりやすい「記号」と言えるでしょう。漢字自体の意味を考えることも学習では必要です。
難関大では覚えるのではなく「理解すること」が重要であって、その理解した内容を問題演習で利用できるようになって初めて難易度の高い問題が易しい問題へと変わっていきます。
難問は決して難しい問題ではありません。どなたでも対処可能な問題と私は考えます。
難関大レベルの得意教科の判断が必要
「得意な教科」とはそもそも何なのか?
「得意な教科とは何なのか」という疑問から始めなければいけないかと思います。得意教科の判断は実際のところ「人それぞれ」となっているように思います。どのような点が人それぞれかというと、学校席次や定期テスト、大手予備校が実施している模試などで判断されているからです。
学校の成績順位(学校席次)
定期テストの点数
大手予備校が実施している模試の出来 など
高2までの模試に潜む落とし穴
得意教科の判断基準として大手予備校などが高校3年生から実施する「大学別模試」であれば東大や京大など難関大受験を志す方のみが受験をしますので、かなり信憑性のある判定や成績が出ると思いますが、高校2年生までに実施している模試に関しては問題点が多々あります。
大手予備校などは模試を受ける母体数が多いため、難関大を目指す上位者のみが受ける平均点より下がり、偏差値が高くなります。偏差値70以上は難関大受験のスタートラインでしかないのです。
さらに、多くの受験者が受験する模試のため、東大や京大などが実施する選抜試験(国公立では2次試験)のレベルに比べるとかなり容易な内容が出題されています。これらの問題が解けるからと言って本番の試験ではたして高得点がとれるのでしょうか。
- 受験する母体数が多いため、平均点が下がり、偏差値が高くなりがち。
- 難関大が実施する模試に比べると、かなり容易な内容が出題される。
つまり、このような模試で自分が得意な教科を判別することは高校2年生までにはほぼ不可能と言って良いでしょう。
また、学校席次や定期テストにおいても、一部の国公私立中高一貫校を除いては全く得意教科は判別ができないと言えるでしょう。
得意教科を判別する方法
では、どのように得意科目を判断すれば良いのでしょうか?
次のような方法がおすすめです。
- 難関大学の過去問を解き、完答した正答率を確認する
- 一般に販売されている難関大対策の問題集の正答率を確認する
※その上で、「その解答に至った根拠や論理が正確に説明できること」が重要!
(現役合格を目指して高校2年生で確認した場合、少なくとも半分程度は完答したい)
「正確に説明できる」とは、「前に似た問題を解いたので書いたら合っていた」ということではなく、教科書に載っている内容や問題集・参考書の細部まで掘り下げて「なぜそうするの?」「どうしてそういう考え方になるの?」などが明確にわかっていることを言います。
一般に販売されている参考書ではその点について記載があるものはほとんどなく、数学においては皆無に近いでしょう。この点については本人の探求心かそのレベルで指導している塾に通い、理解することをオススメします。
高2までに得意教科が2教科あると良い
その上で、難関大の受験においては、少なくとも高校2年生までに難関大レベルで対応できる得意教科が2教科はほしい、と考えています。
得意教科が1教科のみですと、難関大の複数教科に対応するのは難しいでしょう。しかし少なくとも2教科が得意教科であれば、学習方法も「今やっている方法で合っている」という確信が出て、自分に自信を持って学習することができるでしょう。
このような「得意教科」があり、苦手教科が目立たないレベルとなって初めて難関大合格が可能となります。そのためにも第1章でご紹介した「根拠・論理」を意識して学習していただければと思います。
さて、続く記事では新しく導入される共通テストについて、また、東大・京大・私立難関大の出題傾向も簡単に解説しています。下記よりご覧ください。