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古典を大学受験の得点源に!ストーリーを掴む勉強法「基本と実践」

2023年11月28日国語・古典,高校生

井上典総KLCセミナー 倉敷校

古典を得点源にするために大切なことは、ストーリーを正確につかむことです。
そのために必要な勉強法をチェックしていきましょう。

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正確にストーリーをつかむために~基本~

文法力を身につけよう!

古典では、文法を正確に覚えておくことが、ストーリーを正確に読み取るために必要不可欠です。たとえば、次の文を見てみましょう。

(例)京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。

この文を正確に訳そうとするとき、接続助詞「ば」に注意する必要があります。「未然形+ば」の形だと仮定(~ならば)で訳しますが、「已然形+ば」の形だと原因・理由(~ので)で訳します。

それでは、「ば」の直前に注目してみましょう。

例えば「なれ」とはどう訳すのでしょうか。文法力をしっかり身につけていれば見分けがつきますね。ここでは「鳥」という体言に接続しているので、「なれ」は断定の助動詞「なり」の已然形です。

ということは、例文の「ば」は「已然形+ば」の形をとっているので、訳してみると、

(例文訳)京では見かけない鳥なので、誰もみな知らない。

となります。

ここまで読んでみてお気づきでしょうか。例文ひとつとっても、接続助詞「ば」についての知識、「なり」の見分け方、断定の助動詞「なり」、そして打消の助動詞「ず」の知識も必要ですね。文法は断片的に覚えておけばいいというものではなく、すべてを覚えたうえで、その文章に必要な知識を取り出す必要があります。

古文でも漢文でも、文法を覚えるというのは、問題を解くために必要最低限のことといえるでしょう。

単語を覚えよう!

古文ならば単語、漢文ならば頻出漢字を覚えましょう。たいてい、ひとつの単語・漢字に複数の意味があります。文章を読むときは、文脈に合った意味を当てはめて読むことが必要です。

おすすめは、「漢字の読み」を活用すること。

(例)「おぼつかなし」という語の訳は何ですか?

当てる漢字は「覚束なし」だと言われています。漢字の表す意味を考えると「感覚を束(たば)にできない、まとめられない」というニュアンスです。

したがって、「はっきりしない、不安だ、じれったい」となります。丸暗記では覚えにくい単語も、漢字の読み、意味を活用することで覚えやすくなります。

古文・漢文では、単語・漢字は覚えていれば覚えているだけ、問題を解くときに有利になりますので、工夫しながら覚えましょう。

正確にストーリーをつかむために~実践~

登場人物を把握しよう!

ストーリーを正確につかむためには、登場人物を把握することが必須です。

古文も漢文も、問題文を見たときに人物相関図が書いてあれば、まずそれをチェックしておきましょう。とくに古文では、登場人物が多かったり、人間関係が複雑だったりと、主語がわかりにくいことがあります。

本文を読むときは、必ず主語(人物)にチェックを入れること、主語が省略されている場合は主語をメモして読むようにしましょう。主語は、敬語が使われているかどうかで判断できることが多いです。身分の高い登場人物は誰かをチェックして、動作などの単語の前には主語を書き入れて読みましょう。また、接続助詞の「ば・に・を・ど・が」などの前後でも主語が変わりやすいことも覚えておきましょう。

主語を書き入れず、わかったつもりで読んでいると、あとから本文を読み返した時に何が何だかわからなくなることがあります。

また、頭の中だけで整理しようとするとストーリーが空中分解する恐れがあります。メモという小さな一手間をかけることで、ミスを防ぎ、得点につなげることができますよ。

場面が切り替わるポイントをチェックしよう!

ストーリーを正確につかむために、場面が切り替わるポイントをおさえましょう。

段落ごとに場面展開するパターンならばわかりやすいのですが、複数の段落のまとまりごとに場面が切り替わることもあるので、場面の切り替わりが起こっているところにチェックし(線を引いたり○をつけたり、自分がわかるように目印をつけ)ておきましょう。

時間の流れが、現在→過去→現在、というように、行ったり来たりすることもあります。いつ、どこで、誰といっしょの場面なのかを正確におさえていきましょう。時間の流れについては、文法の知識がしっかり身についていれば気づくことができますよ。過去や完了の助動詞が使われているかどうかといったところに注目すると良いですね。

古文では、登場人物が病気になったり死亡したりすることがよくあります。かつては今よりずっと短命でしたから、死がからむ話が多いのです。登場人物が生前の話なのか、死後の話なのかに注目すると良いこともありますよ。


まとめ

時間との勝負!一文に手こずらないために

古典というより、国語において言えることですが、文章を読む時間は限られています。

ある一文の意味がわからないからといって、その一文だけを悩んでいては、どんどん時間がなくなり、肝心の設問を考える余裕がなくなるでしょう。どうしてもわからない一文が出てきたときはいったん読み飛ばして、その前後の文章から推測していかなくてはなりません。

しかし、正確にストーリーを読み取り、問題に正解するためには、わからない一文というものをなくしていきたいものですね。

そのために、文法や単語の暗記をすること、古典の文章を読み慣れておくことが大切です。古典は、ほかの科目に比べると暗記量は多くありません。

頑張ったら頑張った分だけ成果が出る科目ですから、誰でも得点源にできる可能性のある科目です。もし、国語で悩んでいたら、まずは古典の勉強から始めてみましょう!

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