勉強しようとすると眠くなるのはなぜ?眠気覚ましの方法は?
勉強法に関するアレコレ、学校での人間関係、不規則になりがちな生活習慣、はじめて挑む受験…学生の皆さんや保護者の方の不安や心配は尽きないですよね。そんな勉強や受験のお悩みに個人別指導塾ブレーンで指導する吉川が分かりやすくお答えする連載企画の第二弾。
さて、今回のご相談は…?
家で勉強したいと思うのですが、机についたらどんどん眠くなってきて鉛筆を持ったまま寝てしまいます。原因は何でしょうか? 何か解決方法はありますか?
なるほど。これはとくに高校生によくあるお悩みですね。
「前はこんなに眠くなかったのに、もう歳だわー」と17、8にしてボヤいている若者の、なんと多いことか(笑)
眠くなるのはいつ?よくある王道パターン
さて、眠すぎて家でどうしても勉強できない!という人に、もう少し詳しく聞かせてもらうと、いくつかの王道パターンがあることがわかります。
- 学校から帰ったらぐったりしてしまい、横になっているうちに勉強できない
- ご飯を食べると眠くなって仕方がない。でも食べないと元気が出ないため、勉強が後回しになる
- 休日に昼すぎや夕方まで起きられず、勉強時間がまとまって確保できない
- 定期テスト期間中に徹夜したり睡眠時間を削って一夜漬けしたために、リズムが崩れて翌日から眠くてたまらなくなる
「あるある」と頷かれた方や心当たりのある方、多いのではないでしょうか。
とはいえ、どうも皆さん「眠いから仕方ない」「突然睡魔に襲われるからどうしようもない」と思い込んでいませんか?
いえいえ、実は睡魔をうまくコントロールする方法があるんです。
今回は、眠気の対処法についてパターン別にお話しします。
学校・部活から帰宅後、疲れて眠くなる場合
とくに通学時間に時間を取られがちな人や、部活動に打ち込んでから帰宅する人によくあるパターンです。なかには、学校の早朝補習に意気込んで参加し、疲れて帰ってくる人もいるでしょう。
毎日の学習スケジュールを見直そう
そんな人に真っ先に見直してもらいたいのは、毎日の学習スケジュールです。
帰宅してからの自分にとって必要な勉強時間とその内容を、誰かに細かく説明できるほど綿密に決めているでしょうか?
「勉強しなくちゃ」と思うだけで何をするのか決めていなければ、帰宅後に迷いが出て、そのうち睡魔に負けます。そのような人は【帰宅=勉強スイッチオフ】となっている可能性があります。
まず、①確保すべき勉強時間を考えて、②その中で「やるべき勉強内容」を決めてください。
ざっくりと「英語と数学」という決め方はいけません。「数学の問題集の48ページから51ページの演習問題Cのみ」とか、「単語集の141〜180を、例文を含めて3回音読してから、スペル確認、例文を英訳してノートに書き出す」というように、すべての行動を可視化しておきましょう。
帰宅後の自分の行動を可視化することで何をすべきか明確になります。帰宅後に何をしようか考えているうちにダラダラ過ごしてしまい、いつの間にかウトウト…という悪循環から抜け出すことができるでしょう。
食後の眠気に耐えられない場合
炭水化物は少なめに腹八分目!
晩ごはんについては、できるだけ炭水化物は少ないほうが良いとされています。ごはん・パン・麺類などは、その後の眠気につながりやすいと言われているからです。もちろん満腹状態も眠気をもよおします。
そのため食事は炭水化物は少なめに、腹八分目で抑えることを心がけてみましょう。
ご家族に相談して、勉強を頑張りたい日の食事を決めるのも良いですね。もしかしたら、それがいつか皆さんの“勝負メシ”になるかもしれませんよ!
15分ほど仮眠をとる
仮眠の効果は絶大で、一度ぐっすり眠ったあとの作業効率は劇的にUPします。
ただし、仮眠の敵はなんといっても”寝過ごし”。
「ちょっと寝てからがんばろう」と思っていたのに、気づいたら2・3時間以上経っていて、慌てて机に向かっても、焦りと後悔で全然手につかない・・・!そして結局また寝てしまう。
これが続くと、毎日が後悔の連続になってしまいます。
そうならないように、以下のような工夫で効果的な仮眠をとりましょう。
① コーヒーなどのカフェインが入った飲み物を適量飲んでから仮眠をとる
カフェインが効きはじめるには20分ほどかかるといいます。15分程度の仮眠のために摂取するには、ちょうどいい時間ですね。目覚めの助けになります。
② スマホや時計のアラームをかけてから仮眠をとる
いわずと知れた方法です。かけ忘れに注意。
いずれにしても「しっかり勉強するために仮眠をする」という積極的な思いをもって仮眠しましょう。
眠いから寝る、眠いまま勉強してもどうせ頭に入らないから寝る、といった眠気を理由にした姿勢で休んでは、かえっていたずらに睡眠時間が長くなってしまうだけです。
時は金なり。起きるために寝るのが仮眠です。
休日、いつもより長く寝てしまう場合
休日の寝溜めはできるだけ避けよう
次の日が休日の場合、前日から「明日はゆっくり休もう」と”休日モード”になっていませんか?
そうならないためには、先ほどお伝えした勉強計画を前日に立てることが有効です。
とくにテスト前や受験学年になっても「休日は休もう」という意識のままだと、体はなかなか動き出してくれませんね。
部活動をやっていたときには休日を活動的に過ごしていた人も、3年生になって引退したとたんに気が抜けたようにダラダラし始めるケースがあります。そうならないように、引退したらいったんゆっくり休もう、と「ごほうび期間」を作ろうとするのではなく、もっともっと受験勉強するんだ!と心に決めておきましょう。
ちなみに多くの場合、模試は週末に行われます。寝だめしたくてもできない日が受験シーズンが近づけばどんどん増えてくることでしょう。
ですから、もともと「休日も早く起きて、時計を意識して過ごす」習慣がある人のほうが、マイナスの反応が少なくてすみます。
どうしても、体力回復のために寝ておかないといけないときを除き、休日は勉強する日だと決めて、ぶれることなくスケジューリングしていきましょう。
徹夜した翌日、反動で眠くなる場合
これは全くご自分のせいですよ!
そもそもなぜ一夜漬けしなくてはいけないほど、無計画に勉強していたのでしょう。
「終わると思っていたのに」「覚えられていると思っていたのに」と言い訳するひまがあるならば、受験生、高校生としての勉強の取り組み方を受け入れてこなかったことをきちんと反省しましょう!
一夜漬けに頼らず計画的に!
これまで「徹夜して勉強すればいい点が取れる」「徹夜してでも課題を終わらせて提出しなくちゃ」と、学校のテストや課題提出の前になって、とってつけたように必死な表情で言い出したことのあるそこのアナタ!!
いかに自分がお子さまであるか、きっちりと自己批判してください。
自分に対して本当に厳しくできるのは、いつの場合も自分だけです。いまのままでは絶対に受験に成功しません。自分から変わろうとしなければ、いつまでも同じ失敗と繰り返します。
これを読んでいるいまこの時点で、もうすでに一夜漬けした反動でフラフラ状態な人は、しかたがありません、今日はすぐに寝ましょう。そして「もう二度とこんな失敗は繰り返さないぞ」と心に誓い、しっかり眠ったらすぐに学習スケジュールの立て直しを図ってください。
眠気を対処する効果的な勉強法とは?
ここまで4つのケースを取り上げてお話ししてきましたが、最後に皆さんに、エールを込めて、とっておきの即効ワザをお伝えします。
それは“音読”です。
「なんだ、音読か」と馬鹿にしないでくださいね。
勉強するときは音読を基本としてみてください。
眠くなるときや実際に寝てしまうまさに直前、きっと皆さんは音読での勉強ができていないことでしょう。
音読による科目別の詳しい勉強法についてはまたの機会にお話ししますが、大切なのは「暗記したい内容」「解答解説文」だけでなく「計算式」についても、目を通すだけでなく声に出して読み上げながら解き進めることです。
普段からきちんと音読する習慣をつけておけば、眠くなる機会は減ります。声に出すという行為は、皆さんの記憶の定着を助けてくれるだけでなく、眠気を寄せつけないという大きな効果を持ちます。ぜひやってみてくださいね。
皆さんが変わること・成長することが我々の望み
さて、ここからはちょっと厳しいことを言いますよ!
ぼやきと相談は違う!
塾に来るたびに「家ではどれだけ自分が眠くなるのか」をこと細かく語り出す高校生は少なからずいます。けっこう面白おかしく話してくれるため、講師の我々もついつい聞いてあげたくなるのですが、この一連のネタ披露の時間は塾にいて人と話しているというだけで、皆さんはまったく「勉強」していませんよね。
この「眠くてしょうがない」とぼやいている時間すらなくしてしまえたとすると、毎日のムダ時間はぐっと減らせますよ。
えー!じゃあ先生に相談してる時間もムダってことですか?自分たちの話も聞いてくれないってことですか?
結論から言うと私たち講師は、皆さんの「受験合格のサポート」が仕事です。「生徒たちの努力できない理由に耳を傾ける」ことは仕事ではないのです。
そもそも、ぼやきと相談は違います。
言う方も聞く方も、どちらにとっても生産性はありません。
現実的な話ですが、塾は毎日開校するわけではありません。そして自然災害などで止むを得ず臨時休校する場合もあります。図書館などの「自習ができる他の施設」も同様です。
そのような場合でもあなたがたは「家では勉強できない」と言い続けるおつもりですか?
ご自分の人生がかかっています。甘いことを言っている場合ではないのです!
…もちろん、そんなぼやきを話してくれる皆さんは、講師にはとてもかわいく応援したくなる存在です。
でも、塾で指導を受けるということは、究極的にいえば生徒である皆さんに「自分が変わること、合格するに足る人間として成長すること」を要求することになります。
「ぼやけばきっと誰かが励まし、共感してくれるもの」と勘違いしたまま年を重ね社会に出るようになってしまっては、到底誰かのお役に立つような仕事はこなせないでしょう。私たちは皆さんの将来を考え、本気でサポートさせていただきます。