語彙力のなさが招く悪循環とは?幼少期からできる、子どもの語彙力を伸ばすヒント
保護者面談で、次のようなご相談を受けることがよくあります。
うちの子、読解力が無いんです。本を読むのも嫌いで…。
読解力とは「書いてあることを理解する力」ですが、書いてあることを理解するためには、「想像力や語彙力」が必要です。
文章を読む際に想像力を使って情景を思い描いたり、語彙力を使って言葉の意味を捉えたりすることができないと、書いてあることを理解することはできません。
今回は読解力を養うために重要な「語彙力」についてお伝えしたいと思います。
語彙力の無さが招く悪循環
文章読解の苦手な子は、語彙力が欠如している場合が多いです。
語彙力がない(文章中に知らない言葉が多い)ことによる悪循環は次のようなものです。
- 知らない言葉が多く、何について書かれている文章かわからない
- その状態で問題を解くので、不正解だらけ
- 国語(文章の読解)を嫌いになる
「読解力が無い」以前に、語彙力がなく文章の内容をそもそも理解できていないことが原因で、このような悪循環が生まれているのではないかと私は考えています。
単語を知らない子供が増えている?
近年授業をやっていても、国語の文章を読むことが苦手な子ども達が増えている気がします。
一緒に文章を声に出して読むと、単語の途中で切ってしまったり、「〇〇って知ってる?」と聞くと「知らない」という回答が多く返ってきたりします。
例えば、「えんとつ」「あぜ道」「かやぶき屋根」などの言葉は、最近では見かけなくなった物が多いものの、童話や昔話などで触れたことがあれば知っていてもおかしくない語彙だと思います。
しかし実際にはこのような言葉の意味を知らない子どもが多いのです。
興味関心を広げることで語彙力は伸びる
では語彙力はどのように向上していくものなのでしょうか?
分厚い百科事典を広げ、親の隣で暗記を強制させることでしょうか?
違いますよね。
子どもは「なぜ?」「どうして?」が大好き!
幼少期の子どもたちは好奇心旺盛。あらゆることへの興味・関心を絶えず持っています。
実は語彙力はそのような幼少期の興味・関心の中から育まれていくものだと私は考えています。
我が家には2歳になる息子がおり、子どもの目線の高さに本(図鑑など)を置き、いつでも手に取れるようにしています。すると、時間がある度に本を持って来て、「これは?」と聞いてきます。
こども園でも先生が絵本の読み聞かせを始めると、遊んでいる子は一人もいません。先生の周りに集まり始め、真剣にお話を聞いています。
何度も繰り返し聞いているお話しであれば、言葉を真似たり、音を真似たり…。「いつの間にそんなに言葉を学んだの?」と親でも驚かされることが多々あります。
本来子ども達は、ありとあらゆるものに興味を持ち、「なぜ?」「どうして?」と問いかけることが大好きです。
とくに未就学児童、低学年のお子様に関しては、今持っている興味・関心が消えないように配慮してあげることで、語彙力は自然と向上していくと考えています。
親が子どもに対してできる2つのポイント
子どもの興味関心をより育てるために、親御さんにしていただきたい2つの行動があります。
- 教科書や教材を声に出して読む(音読)
- 「誰が出てきた?」「何をしていた?」等、具体的な質問をする。
これを繰り返すことで、「どんな話だった?」という抽象的な質問に答えられる力も付き、それが要約をする力にもつながっていきますよ。
親が子供と積極的にコミュニケーションをとることでいい影響をたくさん与えることができます。
親が知識を「教える」のではなく、子供に「自分の言葉で説明させる」ことを意識しましょう。
※音読については下記記事もご覧ください