小4・中1・高1は要注意!? 算数・数学が苦手になりやすい「つまずき学年」とは?
数学嫌いが加速する負のスパイラル
私は個別指導の学習塾でおよそ20年間数学を教えていますが、数学は好きと嫌いが真っ二つに分かれる、好みの「二極化」が起きやすい科目だと思っています。
嫌いな子にとってはとことん嫌いになる科目であり、「なんで数学なんて勉強しなくちゃならないの?」「将来数学なんて使わない!」など、強烈な数学バッシングが起きるようなお子様もいらっしゃいます。
高校で理系・文系を選択する際にも、「数学が苦手だから文系を選ぶ!」といったように、生徒たちそれぞれの人生の岐路でも数学が影響しています。
そんな数学ですが、苦手が先か嫌いが先か、私が思うに「好きこそものの上手なれ」の逆で「嫌いこそものの下手なれ」。
- 数学が嫌い
- 数学を勉強しない
- 数学が苦手
- さらに数学が嫌い
この負のスパイラルとでもいうべきこの底なし沼にはまらないようにするためにも知っておくべきことについて、お話しいたします。
数学が苦手になりやすい学年とその理由
数学嫌いは突然やってくるわけではなくて、長年の理解不足が積もり積もった結果だと思います。「数学なんて嫌い!」とあきらめモードにいったんスイッチが入ってしまうと、抜け出せない「底なし沼」に足を入れた状態になります。
そんな数学嫌いにならないためには、算数・数学でつまずきやすい「つまずき学年」をあらかじめ知っておく必要があります。
小学4年生
「4年生になって算数の点数が落ちてきた・・・」という声をよく耳にします。4年生になると、これまで問題なく学校の勉強についていけていた子でも、授業内容が理解できずつまずいてしまったり、テストで思うように点数が伸びなかったりするケースが増えてくるようです。
この理由は簡単で、学習内容のレベルが上がるからです。
3年生までの算数は、身近にある数字を扱うことが多かったのですが、4年生からは本格的に小数や分数、わり算の筆算を扱うことになります。
日常あふれている数字の足し引きだけでなく、数の仕組みやルールを理解して「考えて解く力」が求められます。算数を勉強する時にただ単に覚えるのでなく「考えて解く」というのを習慣にできるか、そこが第一の分かれ道です。
- 本格的に小数や分数、割り算の筆算を扱うようになるから
- 数の足し引きだけでなく、考えて解く力が求められる問題が増えてくるから
→「考えて解く」ことを習慣にできるか、そこが第一の分かれ道!
中学1年生
中学1年生は算数から数学に呼称が変わる学年ですが、同時に数学が苦手になってしまう子が急増する学年でもあります。「カレーは辛い」とか「お化けは怖い」というように、「数学は難しい」という固定観念が、子供たちを数学嫌いにしているようにも思います。
実際に、中学生になってから数学が苦手になったという生徒の解答用紙を見てみると、実は小学校の四則演算でつまずいているということがよくあります。
中学の数学になって「X」や「Y」が出てきたから理解できなくなったと思いがちですが、もともと計算問題の法則を理解できていなかったところに、新しい文字式のルールが加わったため、ただ混乱しているだけというケースが多いのです。
- 算数から数学に呼称が変わり、「数学は難しい」という固定観念が出始めるから
- もともと四則演算が苦手で、そこに文字式が加わることで、さらに混乱してしまうから
→まずは小学校の四則演算をきちんと復習し、苦手をなくす!
高校1年生
中学に比べて格段に難易度が上がるのが、高校1年生の数学です。
しかしながら、高校の最初に勉強する因数分解や平方根、2次関数の単元は、中学3年生の内容の延長です。ですから受験勉強で対策した内容を思い出しながら、公式や定理をしっかり理解すれば、難なく解くことが可能なはずです。
また、高校数学では答えだけを答えるのではなくて、考え方、つまり解答までのプロセスを答えさせる問題が多くなります。公式もただ覚えるのでなくて自分でその公式を導き出せることが大切です。
- そもそも中学と比べて、難易度が一気に上がるから
- もともと四則演算が苦手で、そこに文字式が加わることで、さらに混乱してしまうから
→内容は中3の延長!公式や定理の復習をしよう!さらに「解答までのプロセス」を理解することに重きをおこう!
数学を苦手にしない最大のコツ
数学は他の科目(特に理科や社会)と違い、やはり積み重ねが大切な科目です。勉強する学年が上がれば内容が難しくなるのは当然ですが、本当の苦手の原因は今勉強している単元よりもズバリ前学年の理解不足にあることが多いのです。
したがって、ありきたりではありますが、数学を苦手にしないための最大のコツは、取りこぼしがないように復習することです。
今すでに数学が苦手という人でも大丈夫!
学校の長期休みの時に、これまで習った単元の復習をちょっと頑張ってみましょう。数学って分かるようになると意外と楽しいものですよ。