総合型選抜(旧AO入試)・推薦の面接「してはいけない」3つの注意点!本番で失敗しないためのコツとは?
前回は、先輩生徒の総合型選抜(旧AO入試)の体験談から、総合型選抜に必要な姿勢についてお話ししました。
さて今回は、大学・専門学校などの推薦・総合型選抜(旧AO入試)の面接を控える高校3年生に向けて、面接での基本的な心構えとマナーの注意点についてお伝えします。
※具体的な面接対策の指導につきましては、生徒さんのご様子や到達によって変わります。あくまでも今回は一般的なことがらについてのご紹介です。
面接で“してはいけない”3つのこと
面接練習に気軽な気持ちで臨んでしまう
大人の方の中には「リラックスして楽しんだら合格する」とか、「笑顔ではきはき話せば受かる」とか、「初詣にいってお守りを買って大切にすればうまくいく」などと励ますパターンが見られます。
しかし、大学受験の面接は、「大人が受ける面接」と同じという意識を持つことが重要です。成人として認められる年齢になる人たちが通う大学なのですから、それにふさわしい姿勢は身につけてあるものとみなされます。
高校受験の面接対策においては、直前期に2,3回のみ、元気のよい受け答えや部屋の出入りの仕方をおさらいしただけで本番を迎えるような指導も行われていると聞きますが、大学受験においては絶対に同じような気軽さで臨むことはおすすめしません。
面接練習は、自分との戦いです。
本番までの期間は、“自分に勝つ!”という強い気持ちを持ち、気軽な気持ちを捨てて本番さながらに練習に取り組むようにしましょう。
テクニックに走ってしまう
面接練習の回数が進むにつれて、
「○○と言えば受かると聞いた」
「△△についての時事問題について話せばいいと先輩が言っていた」
「とりあえず教授の著書を読んで、それをベタほめすれば盛り上がるはずだ」
と、いわゆる“テクニック”に走ろうとする生徒さんが必ずいます。
以下、面接試験のパターン別に、塾での練習に熱心に励んでくれた受験生の例をご紹介します。
生徒:「私は貴校のオープンキャンパスで、教授の〇〇先生の授業を受け、とても感動して、貴校を志望しました。」
面接官役:そうですか。では、その講義を受ける前と後で、そのテーマにおけるあなた自身の考えが変化した点はありましたか。
生徒:「え?・・・え?!・・・分かりません」
面接官役:ほぉ、そうかー。ちなみにどんな講義内容だったの?
生徒:「いや・・・実は全然興味がわかなくて、何言ってるのかよくわかんなくて、なんにも覚えていないんです」
面接官役:なるほどね(笑)。じゃあ、無理に言わなくていいよ。
生徒:「え、でもオープンキャンパスの模擬授業のことは、言ったほうが受かるって聞いたんですよ」
面接官役:だけど、その「授業を受けて感動して」というのは、とりあえずいまの自分にとっては違うし、ほとんど“ウソ”みたいなものでしょ。
生徒:「うん・・・まぁ、たしかに」
面接官役:だよね、やっぱりすごくバレてるよ(笑)。目からも、口調や表情にも座り方からも、ぜんぶ“ウソ”がにじみ出てる。
生徒:「・・・!じゃあ、もう、なんて言ったらいいんですか!?」
これでは面接練習どころではなくなります。
なんとか合格したいと焦るあまり、誰かから聞きかじった情報に簡単に振り回されてしまい、せっかくオープンキャンパスに行ったのに、それを思い出して自分で考えることをやめてしまう・・・
なんともったいない!!
たしかに、そのような「テクニック」は、教えてくれた方にとっては効いたのでしょう。でも、皆さんは「その人」になり代わることができるわけでも、同じ体験をしたわけでもないのです。
ウソや取り繕った言葉、言い回しを使ってしまう
そういった話が本当に自分の考えと同じで、本当に感銘を受けたのならいいのですが、違うのであればただの「ウソ」になりますね。
自分の思いや体験したことを、よく思い起こす時間を作りましょう。人間は、過去の積み重ねで生きています。「何を言おうか」ではなく「自分が本当に言いたいことはなにか」「それに合う言い方や表現はどんなものか」を、試験当日のその瞬間まで、断続的にでも考え続けてください。
さきほどの高3男子くん、それから塾で対話を重ねていくうちに、本当に自分がその大学に行きたいと考えるようになったきっかけを思い出して、自分にしか語れない志望理由を見つけ出し、話せるようになりました。
「なにを言えば受かるか」という考えにとらわれていた彼は、まず大きな意識改革の壁を乗り越えたわけです。
「何を言えば受かるか」ではなく、「自分が本当に言いたいことはなにか」「それに合う言い方や表現はどんなものか」を考える
日常をグレードアップ!3つの改善ポイント
面接は「対話」です。よくイメージされがちな、一方的なプレゼンテーションとは異なります。(なかにはプレゼンテーション型の面接試験もありますが、それは後述します)
その対話時間のなかで、私たちは自分で思っている以上に「素の自分」をさらけ出しています。自覚し、本番までに直そうとしてもなかなか難しいものです。
また、本番の緊張感は想像以上。「本番のときだけがんばって直そう」と軽く考えるのではなく、日ごろから少しずつ意識して変えていきましょう。
注意点① 口ぐせ
口ぐせや話し方のくせにはよく人柄が表れます。
癖だからしかたない、直さなくてもたいしたことはない、と考えるのではなく、「話し方のクセひとつで、もし初対面の方に自分を誤解されてしまったらもったいない!」と思うようにしましょう。
実際によくあるのはこんな「くせ」です。
- 「~て、~て、・・・」と一文が長い
- まとめでない部分で「要は」「要するに」と多用してしまう
- 「とりあえず」などの言葉を文頭につけてから話し出してしまう
- 文末を「~けど。」のようにしてしまって歯切れが悪い、など
これらは、聞いている人にはどうしても耳ざわりな響きとなって残ってしまいます。
「言いたいことはきちんと考えてあるのに、いざ話そうとするとくせが出てしまう」と悩む場合は、まずはしっかりと原稿を紙に自分の字で書き起こしてみましょう。
その原稿を音読してみて、発音しづらい(噛んでしまう)言い回しがあれば、別の表現に変えます。そうすれば、どう言おうか困ったときに限ってつい出てきてしまう良くない口ぐせを、少しでも封印することができますよ。
注意点② 座り姿勢、歩く姿勢
- 猫背(緊張したり、話し出すと急に前のめりになってしまうことも)
- 手を膝の上に置いておくことができずに手遊びのような動作をしてしまう
- 歩くときに靴をひきずるような音を立ててしまう
- 視線が下に落ちてしまい、上目づかいになってしまう
毎日長時間机に向かって受験勉強をする生活に慣れてしまい、無意識にこのような姿勢になってしまっていることがあります。
面接本番で明るく堂々と受け答えできるよう、毎日少しの時間、腰骨を立てて肩を下げて座ることを意識してみてください。
注意点③ 挨拶
「こんにちは」「ありがとうございます」「失礼します」「わかりました」「すみません」といった、ごくありふれた挨拶も、緊張すれば、なかなか「言葉」として発することができない受験生がいます。
そもそも、普段からきちんと挨拶、できていますか?
なんでも無言の会釈ですませがちだと、やはり印象はよくありません。
とくに「ありがとうございます」と「すみません」は、ふだんの生活で、周りの状況や相手の気持ちを汲み取ることが習慣づけられていない場合、必ずといっていいほど言葉にできません。
そうでなくとも、長期間の受験勉強の生活で、人と接する機会が減りがちであったり、受験へのプレッシャーから周りが見えなくなっていることも考えられます。
面接試験を受ける受験生は、このような当たりまえの行動を見直す心身の余裕がほしいですね。ほんの小さなことですが、まずはコミュニケーションの土台を見直すことが不可欠です。
プレゼンテーション型面接の注意事項
大学・学部によって異なりますが、あらかじめ募集要項で課題が発表されており、面接官の前で準備した内容を発表します。また、課題レポート提出の上、それにもとづいた質疑応答がなされる場合もあります。
いずれにしても、自分の志望する大学・学部の募集要項を熟読し、出願条件と提出すべき書類、準備の内容をよく確認することが大切です。準備に十分な期間が必要になるため、一般入試に向けた「受験勉強」とは別に、非常に大きな労力がかかります。高3生になってからの準備では間に合いません。高1、高2のうちから情報を集めておきましょう。
また、話し方や発表内容の組み立てだけでなく、作成した図やグラフなどを画面に提示するなどして、いかに説得力のある発表ができるかをみられることもあります。
スマホの操作に慣れてしまった高校生にとっては、PC操作やデータの作成は、かえって難しく感じられる可能性も。募集要項で課題内容をよく確認し、その準備にどれだけの時間(または期間)がかかりそうか、そしてプレゼンテーション本番で自分が堂々と話をする姿をイメージして、逆算して計画的にすすめましょう。
当塾(創研学院・個人別指導塾ブレーン・KLCセミナー)では、総合型選抜(旧AO入試)受験を目指す高校生の皆さんへの受験についてのアドバイスさせていただいています。高1・高2のみなさんも、少しでも総合型選抜(旧AO入試)に関心がある方は、ぜひお早めにご相談ください。