塾講師が教える、今すぐ実践できる英単語の暗記術!
英単語がどうしても覚えられない!とお悩みの高校受験を控えた中学生のみなさんに、今すぐにでも始められる効率的暗記術についてお伝えします!
中学校3年間で覚えなくてはいけない英単語は約1200語とされています。
学校や学習塾では、暗記方法について詳しく教えてもらっていないのに、「何度も何度も綴りをくり返し書けば、そのうち覚えられるようになるよ!」なんて、精神論しか言ってくれなかったという経験はありませんか!?
そこで今日は、そんな精神論などではなく、実践に基づく暗記術をお伝えします!
「九九の暗記」はなぜ何年経っても覚えているのか?
みなさん、小学校の時に「九九の暗記」を経験したことありますよね。そして、これは今でも覚えておられると思います。
一体、なぜでしょうか。
それは、何度も何度もくり返し暗唱したことによって、長期記憶されているからです。
脳の記憶のメカニズム「短期記憶と長期記憶」
ここで、人間の脳の記憶のメカニズムについて、大雑把に説明します。
記憶の段階として、短期記憶と長期記憶というものがあります。短期記憶とは、例えば定期テストの前に一夜漬けして無理やり覚えるようにして記憶された記憶状態のことです。短期記憶は、脳に一時的にしか記憶できないため、定期テスト本番には通用しますが、時間が経つと抜けてしまいます。そのため、限られた範囲の記憶には向いていますが、模擬試験や英単語の暗記などには向いていません。
一方、長期記憶とは、何度も反復することにより脳に刷り込まれた記憶のことです。脳が大事な情報だと思い込んで、ちょっとのことでは忘れないようになっています。そのため、長期間記憶の保持が必要な英単語などの学習に適しています。
ちょっと横道にそれてしまいましたので、具体的に英単語の覚え方を説明していきましょう。
反復することで長期記憶に!「呟き練習」のススメ
こんな感じで呟いてみてください。
「afternoon(アフタヌーン) 午後」
「afternoon(アフタヌーン) 午後」…
このように、同じ単語を2回続けて、英語と日本語の意味を同時に呟いてください。ここで大切なのは、覚える日本語の意味は、ひとつに絞ることです。(これは、九九暗記でやったように、瞬発力がなくなってしまわないようにするためです。)
また、英語の読み方がよく分からないときは、適当に読んでもかまいません。呟くときに悩んで止まってしまうのが一番よくないので、何も考えずに続けましょう!(でも、呟き練習のあとで読み方をちゃんと辞書などで確認するようにはしてくださいね。)
約1200語を覚えるのに、2週間としてください。(もちろん、この2週間で完璧に覚える必要はありませんよ。)英単語集などを見ながら、毎日600語を、30分時間を測って(スマートフォンなどのタイマーをセットして)、ただひたすら何も考えずに呟き続けてください!(あまり長時間呟き続けると集中力が切れるので、1日の目安は30分です。)
これを1週間続けてください。30分まとめて時間を割くのが厳しい場合は、10分を細切れで合計30分でもかまいません。それでももし「いきなり初日から600語を呟くのはキツイよ~」と思われる場合は、
1日目を 1~200語
2日目を 1日目+201~400語
3日目を 1日目、2日目+401~600語
のように段階的に増やしてみてください。
そして、4日目以降は1~600語を30分で呟いてください。1週間で600語の呟き練習ができたら、週末にテストしてみてください。テストするときは、英単語集の日本語の意味を手などで隠して、日本語の意味が言えるかどうかチェックします。
出来たかどうかの基準は、「1秒ぐらいで日本語の意味が言えた」を正解、「かなり時間がかかって日本語の意味が言えた、または、意味が出てこなかった」を不正解とします。
その際、答えられなかった英単語は、英単語集に印をつけておいてください。8割以上正解であれば、とりあえずは問題ありません!翌週は、新たに覚える600語を1週目と同じように呟いてください。2週分の答えられなかった英単語をまとめて、ルーズリーフなどに書き写しします。ルーズリーフに書き移す際は、半分に折って、左側を英単語、右側を日本語の意味とします。
それをすき間時間を見つけて、呟くようにしてください。9割以上覚えられるようになったら、定期テストや模擬試験など、テスト前に呟くようにして、忘れない程度に呟き練習をくり返してください。
ちなみに、大阪府教育委員会のWebサイトには、「大阪版中学校で学ぶ英単語集(平成29年11月改訂)改訂分について」が掲載されていますので、それをダウンロードして、見ながらやってみるとよいと思います。
平成30年度公立高校入学者選抜に関する「大阪版中学校で学ぶ英単語集」(外部リンク)
詳しくは、大阪府教育委員会のWebサイトの「平成30年度選抜」の「<平成29年11月17日>」の平成30年度大阪府公立高等学校入学者選抜に関する「大阪版中学校で学ぶ英単語集(平成29年11月改訂)」について」でご確認ください。
印刷したものが欲しい場合は、学校や学習塾の先生に頼んで印刷してもらいましょう。大阪府以外の地域にお住まいの方は、地元の都道府県教育委員会のWebサイトなどで公立高校入試に必要な英単語集を提供しているところがあると思いますので、それを活用されるとよいでしょう。もし掲載されていない場合は、教科書の巻末ページでも全く問題ありません!
ちなみに、この方法は、覚えるべき語数が格段に増える高校生にとっても有用なことは間違いありません。