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塾選びもICT教育で変わる?ICTのメリット・デメリット

2020年2月28日塾選び

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中川美知雄 KLCセミナー 岡山校

ICT時代の正しい塾選び 知っておきたいICT教育 メリットとデメリット

最近よく耳にするICT(Information and Communication Technology )という言葉。これは、パソコンやタブレット、インターネットなどの情報通信技術を指します。

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教育業界(塾や学校)がICTを導入する理由

ICTは教育の分野でも活用されており、例えば、プロジェクターを各教室に設置し、専用のタブレットを持つ生徒がもつ学校も多くなっています。

導入する理由は様々です。学校や塾からすれば、人件費の削減という側面もありますが、そればかりではありません。実際に、ICTを利用することで、実際の映像や英語のネイティブの発音など“本物”を見聞きさせることができ、それによって生徒の学びを促進させることができます。

学校や塾でICTが導入される理由

・実際の映像や英語のネイティブの発音など“本物”を見聞きできる
・人件費が削減できる

また、ICTによる教材も数多く、以下のような理由から、多くの学校や塾で導入されています。

ICT教材が選ばれる理由

・学習する時間帯や場所が選べる
・個人別に、自分のペースで学習を進めることが出来る
・ハズレのない授業を受けることができる
・安価である

ただし、ICT教材は選ぶ際に注意が必要です。どのICT教材も謳い文句は魅力的ですが、やれるかどうかは別問題です。「やってみたけど効果がなかった…」よく耳にします。けれど、実はやってみたけどではなく、やれていなかったので効果がなかったのです。

詳しくはメリット・デメリットの章で詳しくお話しします。

ICT教材の種類について

映像配信型

映像配信型は、配信する塾側も人件費を削ることができるため、お手軽感があり急速に普及しています。実際、ICT教材で最も多いのも有名講師による映像配信型の授業です。

以前はよく目にしたテキスト型のみの教材はほぼ絶滅し、最近はテキスト+映像授業による講義がセットになったものがほとんどです。ゼロベースから学習していくものから、難関入試に対応したものまで実に幅広くあります

動画の再生

ただし、すべての学習レベルを網羅したものはほとんどありません。学習の目的(段階)に応じて適した内容の教材を選ぶ必要があります。

ドリル(問題集)型

次に多いのがドリル(問題集)型の教材です。

AIによる診断が行われ次に演習する問題が選択されるものや、インターネットでつながる多くの受講生と得点を競わせるもの、と方法は様々ですが、ドリル型に共通した特長は成績を細かく可視化できる点です。

テスト以外にも日々の学習の達成度を数字で見ることができることは映像配信型にはないメリットです。

ICT教材のメリット・デメリット

自由度が高く、自分のペースで学習できる

ICT教材の最大のメリットは自由度が高いということでしょう。
学習する時間帯を自分で選べますから、部活動と勉強の両立で悩む生徒には好都合です。

また、自分のペースで学習できるため学習の先取りも復習も思うように行えます。この自由に学習できる点は非常に魅力がありますが、この最大の利点こそが実は落とし穴となります。

自由度が高いということは、サボり易いということ

時間帯を選ぶことができ、自分のペースで学習できるということは、言いかえれば「後回しにでき、ほったらかしにできる」と言うことです。この点がICT教材の最大の弱点です。

実は、ICTの教材は生徒に与えておけば学習が成立するため、ほとんどの学習塾では「与えっぱなし」が日常です。もともと人件費削減の意味合いが強い塾が多いからかも知れません、要するに楽して生徒の成績を上げる方向に行きがちです。

ただし、名前の通りどんなに便利で良いものであれ「教師」ではなく「教材」であることに変わりはしません。放っておけば、机の隅に積み重なった前時代の添削教材と何ら変わりはしないのです。

初めのうちは、もの珍しさもあるためほとんどの生徒が嬉々として学習します。ただ、慣れてくると全くと言っていいほどしなくなります。

ついついサボりがちに?

特に、最も普及している映像配信型の場合は、授業は一方通行で本人任せですから集中力が欠けた状態で受講しても何ら身に付きません。ドリル型の場合は、そもそも演習段階に至るまでの知識の導入がなければ成立しません。

ICT教材で成績向上を目指すならば欠かせない要素となるのは「やる気」と「学習習慣」です。つまり、「一人では勉強しないから塾に…」という動機の塾選びでは、候補から外した方が賢明でしょう。

ICTのデメリット
  • 生徒の自主性が問われるため、ICT教材の与えっぱなしでは「後回し・ほったらかし」になる可能性がある
  • 教える側も「楽して生徒の成績を上げる」方向に向かいがちになる
  • 新しい教材のため、初めはもの珍しさから取り組むが、慣れてしまうと全くできなくなる
  • 映像配信型の場合は、授業が一方通行のため、生徒のやる気・集中力がないと身につかない
  • ドリル型の場合は、演習前の知識の導入が必要になる

どのICT教材を選ぶかより、どの塾を選ぶか

ICT教材はどれもある程度優秀です。命題「ICT教材でしっかり学習できれば、成績は上がる」は真だと言っても良いでしょう。ただし、仮定の部分「しっかり学習できれば」が成り立った場合に限ります。

ICT教材で学習する場合、授業自体の品質は均一化されているため、授業そのものよりもフォローアップがしっかりしている、あるいは勉強への働きかけが強いといった「めんどうみの良い塾」や「やらせる塾」を選ぶのが費用や時間を無駄にしないためのポイントです。

同じICT教材を扱う塾でも、教室によって体質は異なります。家から近いことは塾選びの非常に大きなポイントですが、同じICT教材を扱う少し離れた場所の塾の話も聞いてみる方が良いでしょう。

めんどうみが良い塾はどこが違う?

「めんどうみの良い塾」や「やらせる塾」はそうでない塾と何が異なるのか。

気を付けて頂きたいのは、授業後に設けてある質問受けの時間があるかどうかはマイナスではありませんが大きなプラスでもないということです。そもそも勉強していない子に質問なんてありませんから。大事なのは、質問受けの時間がどのように利用されているかどうかです。

宿題や小テストの扱いは、塾選びの一つの目安

そこで、塾選びにおいてひとつの目安を挙げます。

それは、「宿題」や「小テスト」の扱いです。「宿題のチェックはどのように行われ、不備があった場合はどういった対応を行うのか」これは是非とも聞いて頂きたいポイント。

本当に、めんどうみの良い塾は、決して宿題を出したままの放りっぱなしにはしないし、宿題をしていない生徒にどう対応するのかが決まっています。宿題や小テストを課さない塾もあると思いますが、その場合は何かしら別の方法で進行具合をチェックされているはずです(何もないというはずはありません。ないと感じられたらその塾はスルーしてください)。

私どもの塾でもICT教材を一部導入していますが、決められた期間で行えていない場合はご家庭に連絡し、学習を促しています。家で行う部分でも、できない場合は塾に来てやってもらいますし、もちろん小テストも行います。小テストで間違えた内容は、設置している質問受けの時間で間違えた問題の「やり直し」を行います。このあたりは、指導の根幹にあたる部分ですから我々も力が入ります。

ICT時代でも、“人”の存在を忘れないこと

どんな良い教材もつまりは使い方次第です。自分自身で学習管理が行えるお子様はどのICT教材を使われても上手くいくでしょう。

しかし、自身での管理が難しい場合は、まず塾選びから始められる方が良いと思います。共通テストが導入され、中学・高校での学習量はこれまでよりも確実に増えていきます。限られた時間を有効に使うために、ICTを利用するのは有効な手段であることは違いありません。ただし、そこに関わる“人”の存在を忘れてはなりません。

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