「恥ずかしい」は英語でどれ?embarrassed, ashamed, blushの違いとは?
英語で何と言うのか辞書で調べると、候補の英単語がいくつも出てきた。こんな経験ありませんか?
このシリーズでは、そういった似た意味の単語の違いと使い分けについて、バイリンガル・ネイティブ両方の視点からお届けします。
※「ニュアンスの違いを知ってより細かに思いを伝えよう」、「大きな違いがないことを知って怖がることなくどんどん言葉を使おう」をコンセプトにしています。正しく正確な言葉の遣い方だけを推進するものではありません。
「恥ずかしい」は英語で?
- Embarrassed…人の目があり居心地が悪い
- Ashamed…自分のしたことを恥じる
- Blush…赤面する
今回は「恥ずかしい」を表す embarrassed, ashamed, blush の使い分け、ニュアンスの違いを見ていきます。
大きく分けて “embarrassed" と “ashamed" は恥ずかしいという「気持ち」を表し、"to blush" は恥ずかしさから「顔が赤くなる行為」を表します。
また、使い分けのポイントは「なぜ恥ずかしいのか」という理由の部分にあります。
- “embarrassed" と “ashamed" は恥ずかしいという気持ちを表す
- “blush" は恥ずかしさから「顔が赤くなる行為」を表す
- “shy“(シャイ)は・・・?(記事の後半で!)
自分の伝えたい「恥ずかしい!」は英語ではどれに当たるのか、考えながら読んでみてください。
「恥ずかしい」の文化的背景の違いを理解する
文化を超えた「恥ずかしい」の感情表現
- 日本…周囲への気遣いからの「恥ずかしい」
- アメリカ…個人の内面的な感情としての「恥ずかしい」
言語は、文化の鏡です。私たちがどのように感情を表現し、理解するかは、深く文化に根ざしています。日本語の「恥ずかしい」と英語の「embarrassed」「ashamed」「blush」は、表面上似ているように見えますが、それぞれが文化的背景に基づいた独自のニュアンスを持っています。
日本文化における「恥ずかしい」
日本文化では、「恥ずかしい」は個人だけでなく、集団の中での自分の位置づけにも関連しています。社会的な調和を重んじる文化的背景から、自分の行動が集団にどのような影響を与えるか、という観点が強く影響します。例えば、失敗をした時に感じる恥ずかしさは、個人の失敗以上に、周囲への迷惑や名誉を損ねることへの懸念が含まれています。
英語圏の文化における「Embarrassed」「Ashamed」「Blush」
一方、英語では、「embarrassed」は一時的な不快感や居心地の悪さを、「ashamed」はより深い個人的な後悔や罪悪感を、「blush」は恥ずかしさの物理的な表現を指します。これらの感情表現は、個人主義が強調される文化的背景に基づいており、個人の内面的な体験や感情の自己認識に重点を置いています。
文化間での感情表現の違い
この違いを理解することは、国際的なコミュニケーションにおいて重要です。例えば、英語を母国語とする人が日本で「恥ずかしい」状況に遭遇した場合、その感情をどのように解釈し、表現するかが異なるかもしれません。逆に、日本人が英語圏の国で「embarrassed」「ashamed」「blush」の感情を体験した時、それをどう捉え、周囲にどう伝えるかは、その人の文化的背景に大きく依存します。
では、各英語表現の違いについてみていきましょう。
embarrassed は「人の目があり居心地が悪い」
- 人の目があり居心地が悪い
embarrassedは英英辞典にこう掲載されています。
feeling or showing a state of self-conscious confusion and distress
Merriam Webster
「困らせる、当惑させる」という意味の動詞 “embarrass" の形容詞形が “embarrassed" です。
恥ずかしいという気持ちの中で特に uncomfortable(居心地が悪い)から、というところに焦点が当たっています。
人目に付きたくない、というバツの悪い気持ちを表し、そこには人の目があることが多いです。
- When I dropped my books in front of everyone, I felt really embarrassed.
(みんなの前で本を落とした時、すごく恥ずかしかった。) - I split my pants while bending over, and felt really embarrassed.
(かがんでいるときにズボンを破ってしまい、とても当惑してしまった。) - When my friend started singing terribly, I felt embarrassed.
(歌いだした友達の歌がひどかったとき、私はきまりが悪かった。)
ashamed は「自分のやってしまったことを恥じる」
- 自分のしたことを恥じる
ashamedは英英辞典にこう掲載されています。
1. feeling shame, guilt, or disgrace
Merriam Webster
2. feeling inferior or unworthy
「恥、恥ずかしさ」という意味の名詞・動詞 “shame" の形容詞形が “ashamed" です。
恥ずかしいという気持ちの中で特に guilt(罪の意識)と結びついています。
自分の欠点や過失などを自覚し恥じる気持ちを表し、"embarrassed" には人の目がありましたが、"ashamed" には必ずしも人の目があるわけではありません。
自分の中にある罪の意識、がポイントです。
また “embarrassed" と比べてより深刻なことに対して使われることもあります。
- I received a low mark on the test, so I am ashamed.
(テストでひどい点数を取り、恥ずかしい。) - I am ashamed of myself because I wasn’t able to enter an elite high school.
(エリート高校に入れなかったので自分自身を恥じている。) - After lying to my father, I felt very ashamed.
(お父さんに嘘をついた後、自分をとても恥じた。)
blushは「恥ずかしく感じる、赤面する、という動詞」
- 赤面する
blushは英英辞典にこう掲載されています。
to become red in the face especially from shame, modesty, or confusion
Merriam Webster
“blush" は上の2つと大きく異なります。
“embarrassed" “ashamed" が形容詞であるのに対し、“blush" は動詞です。
“blush" には「花などがピンクや赤に色づく」という意味があり、そこから「恥ずかしくて顔が赤くなる、恥ずかしさを感じる」という意味で人に対しても使われるようになりました。
どうして恥ずかしいのか?という理由ではなく、恥ずかしいと感じて(顔が赤くなって)いる、という身体の反応に焦点が当たっています。
- When I was given a compliment, I blushed.
(褒められたとき、恥ずかしかった。) - I always blush when he tells me I’m cute.
(彼がかわいいと私に言うたびに、いつも照れくさい。) - After farting loudly in class, I blushed.
(教室で大きなおならをしたとき、顔が真っ赤になった。)
おまけ:shy はその人の性格を表す
「恥ずかしがりの、引っ込み思案の」という意味の “shy" は人の性格を表します。
- I wanted to ask him on a date, but I was too shy.
(彼をデートに誘いたかったが、恥ずかしがり屋すぎた。) - Public speaking is embarrassing for me because I’m so shy.
(人前で話すことは恥ずかしい、なぜなら自分は引っ込み思案だからだ。)
まとめ
- Embarrassed…人の目があり居心地が悪い
- Ashamed…自分のしたことを恥じる
- Blush…赤面する
最後に、同じ例文でどのようなイメージの違いがあるか見てみましょう。
例文:つまずいて転んでしまったとき、恥ずかしかった。
I was embarrassed when I tripped and fell.
(小さいミスではあるが、人の目が気になりバツが悪いイメージ)
I was ashamed when I tripped and fell.
(お葬式で転んでしまったような、やや深刻なミスで自分を責めているイメージ)
I blushed when I tripped and fell.
(なぜ恥ずかしがっているかは定かではないが、恥ずかしくさを感じて顔が赤くなっているイメージ)
今回出てきた “embarrassed" と “ashamed" 確かに差はあるものの両方使えるケースも多く、実際に使うときにはそこまで気にしないネイティブも多いようです。
これらの単語が実際どのような場面で使われているか、ぜひ確認してみてください。
See you next time!!
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