親子で家でできる“学びと体験”アイデア3選!買い物の疑似体験やテントで勉強合宿も!
1ヶ月以上の長期休みどう過ごす?
小学校低学年の夏休みはとにかく長い!
低学年のうちにさせておきたいことといえば、何を思い浮かべるでしょうか。そしてとくに”夏のうちに”経験させておきたいことは、なんでしょうか?保護者の方のお子様への思いはさまざまだと思います。
低学年のお子様の場合、普段から放課後の時間が長く、いわゆる「おうち時間」が比較的充実しています。習い事を始められているお子様は、その習い事の準備や練習の時間も大切ですよね。
夏休みはさらに、家で自由に過ごせる時間が増えてきます。お子様にとっての充実したプラスαの夏の体験を、ぜひご検討いただきたいと思います。
”体験”は”経験”よりもインパクト大!
ある程度長い期間かけて行うことに対しては「経験」といい、一方で短い期間で強い印象を残すようなことを「体験」というそうです。たとえばカヤック体験、一日職業体験、というように、たとえその日だけ、短い時間だけであったとしても、記憶に残るものです。
長い夏休みには、継続的に行う「経験」もよいのですが、あえてピリッと緊張感を得ることのできる「体験」を、保護者の方、ご家族ご親戚と一緒にいくつか行ってみることをおすすめします。
毎日だらだらと同じような生活リズムになりがちですが、いい意味での緊張感やわくわく感を維持して、「あーいい夏休みだったな。いろいろできておもしろかったな」と思い出に残る過ごし方ができることでしょう。
親子で家でできる、目的別“体験”アイデア
「体験」というと、なにかのイベントに参加したり、それによってどうしても高額になってしまったりというイメージをお持ち人も多いかと思いますが、決してそればかりではありません。ご家庭でも十分にできるちょっとしたアイデアをご紹介しましょう。
- おうち合宿
- 買い物体験
- 一冊丸ごと朗読体験
いつもの勉強時間もグレードアップ!おうち合宿体験
【概要】 家庭内で1泊2日の合宿スケジュールを立てて取り組む
【ねらい】 やっぱり子どもには勉強をしっかりさせたい。でも非日常の遊び心を演出したい!
【具体案】 合宿日の前日までに、お子様と1泊2日の合宿スケジュールを組む。
2日分のプログラムの中には、勉強時間、食事、睡眠といった生活のための時間をあらかじめ組み込んでおく。おうちの中にテントを張って、すぐ近くに勉強用の机といすを置く。勉強には「合宿」用に購入した新しい問題集と文房具を使って、いつもの勉強とはちがう新しい雰囲気で取り組む。プログラムの最後には「お疲れさまパーティー」などで、お子様の達成感を高め、非日常を楽しむ。
あえてお札と小銭で!買い物体験
【概要】 日用品や生活必需品を扱うお店に、現金での買い物をしに行く
【ねらい】 ICカードやスマホ決済が増えているからこそ、紙幣と硬貨でお金の支払い方やおつりの考え方を知る
【具体案】 何か一つ買うものを決めた上で、実際にチラシやWEBサイトなどで価格や品物を見比べて、買い物のための下調べをする。そして、決めた店に実際に足を運んで買う商品を選んで購入。できる限り店員さん役の親御さんから接客の機会を得ながら買い物をする。
体力づくりの側面も!本一冊まるごと朗読体験
【概要】 おうちにある本を一冊選び、はじめから最後まで声に出して音読する。
【ねらい】 外で思いきり体を動かすことが難しい日が続くと、気づかないうちに腹式呼吸をする習慣がなくなってしまったりする。まとまった時間の音読は、外での運動と同じような心地よい疲れを感じることができる。
【具体案】 お腹で大きく息を吸いながら、一冊の本をまるごとノンストップで音読。登場人物とセリフが多いような物語がおすすめ。演じ分けの意識を持つことで、感受性を高めることもできる。
お子様の”非日常”は日常のすぐそばに!
「いつもどおり」をていねいに行うだけ
以上の3つのアイデアは、学校に通いながらの日常生活では、なかなか意識できないものです。でも、長い夏休みには逆にそれが”非日常”になります。夏休みだからといって、特別なことを探そうとしていては、お子様はかえって日常をおろそかにしてもよいのだというメッセージとして受け取ってしまいます。あえて当たり前にしていることをグレードアップさせて、ていねいにやってみることをおすすめします。
大事なのは大人の見守りとほめ
でも、ひとつ保護者の方に忘れないでいただきたいことがあります。それは、これらの“体験”をがんばるお子様をじっと見守ることです。お忙しい日々だと思いますが、がんばりを子どもまかせにしないでください。とまどっているときには「こうしてみたら?きっとできるよ」と声をかけてあげ、「ねぇねぇ、やるから見ててね!」とお子様が言ったときには、スマホや家事から少し完全に手を離してじっと見てあげてください。そして、「できた!面白い!」とお子様が感じているときには思いっきりほめてあげてください。
お子様にとって、ご家族にほめられることほどうれしいことはありません。
なにかができるようになった自分への達成感も、ご家族に認められていることが分かればこそです。保護者の方といっしょに何か「いつもとちょっとちがうこと」にチャレンジするのも、実は「いつもの毎日」の延長ですよね。”いつもどおり”をていねいに行うことも大切さを、お子様も保護者の方も感じていただきたいと思います。
この小学校低学年のうちに体験したことは、2学期以降の日常の勉強にも大きな影響を与えてくれます。
漢字を書く、作文をする、計算をする、問題の答えを正しく書く・・・。お子様はどんどん新しいことを学び、できるかどうかのチャレンジを重ねていかれます。
ですが、これらは一見すると同じことの繰り返しで、これまでとはなんの変化もないように感じられ、つまらなくてしかたがないようなときもあるでしょう。
こんなときに夏休みのうちに、日常に隠れている面白さを知ったお子様は、自分自身で楽しみや気づきを見つけることができるようになるため、粘り強さが発揮できるようになります。「できる」「できない」「面白い」「つまらない」の基準だけで物事の良し悪しを判断してしまうようなこともなくなってくるため、勉強にも面白さを見出すことでしょう。
いまは小さいお子様も、小学校高学年になれば、同じ夏休みであっても、徐々に一人でできることが増えて、保護者の方と一緒に何かにチャレンジする機会も少なくなってきます。せっかくの夏休み、「低学年のうちだからこその体験をさせたい!」と思われる場合には、ぜひあえて”いつもどおり”をていねいにしてみるというアイデアを取り入れてみてください。