国語・入試頻出の問題形式を理解しよう!苦手克服、まずはここから。
入試に出題される問題形式を知ることからスタート
受験期になってくると、生徒さんからよく質問を受けるようになります。
国語についても、問題の解説の依頼だけではなく「国語がよくわからない」「国語の点数が伸びない」といった相談もよく受けます。これは保護者からも最もよく聞かれる質問の1つです。
皆さんよく、「国語の点数が伸びないのは、小さい頃から本を読んでこなかったからでしょうか」とよくおっしゃいます。確かにそれもその原因の1つかもしれません。
国語の点数を伸ばすためには、孫子の兵法「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」にあるとおり、彼、つまりテスト・入試に出題される問題を把握することから始めることが重要になります。
しかし国語は、数学や理科などと異なり、「この方程式の解はx=2になるよ」のように明確な回答がしにくい教科です。
点数が伸びない原因がどこにあるのか、もっと細分化して考える必要があります。
入試問題は、論説・小説・古典・文法・詩歌の5分野
では、ここからは国語の入試問題で出題される主な問題形式について見ていきましょう。
入試に出題されるのは、おおまかに、論説文(評論文)・小説文・国文法・古文・詩歌の5分野です。
もちろん中学入試・高校入試・大学入試のどれを受験するか、その学校の入試問題の傾向などにも依りますが、この5分野のうち、論説文(評論文)・小説・古文の3分野が大きなウエイトを占めます。
公立高校入試なら、論説・小説が各30%程度、古文が20%程度、残り20%で漢字の読み書きや文法、作文・その他総合的な問題が出題されるのが一般的だと言えます。
出題分野が異なるのですから、その対策の方法も違ってくるのは当たり前です。さらに、出題される問題形式も細分化しておきましょう。
論説文で頻繁に出題される問題
内容が正しく読み取れているかを確認する問題
空欄に当てはまる言葉を本文中から探し出して説明文を完成させたり、指示語の指す内容を指定文字数内で説明させたり、説明文(本文)の内容に合う文を記号で選択したりします。
漢字の問題
本文中で使われている漢字の読みを答え、片仮名で表記されている言葉を漢字に変えます。
小説文で頻繁に出題される問題
登場人物の心情を把握できているかを確認する問題
登場人物の言動などから、そのときの心情を推察します。文章を書いて答えたり、選択肢から選んだりする問題となります。
古典で頻繁に出題される問題
古文単語の現代語訳をする問題
古文単語の現代語訳が問われます。正しい意味を記号で選択する問題が多いですが、 「この単語の、文章中での意味を答えよ」といったものもあります。
文法の問題
「あはれ」を「あわれ」と読み替えるような、歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに変える問題や、係り結びの法則などです。大学入試となれば、単語1つ1つを品詞に分解する力 が求められます。
誰の言動かを問う問題
誰の発話なのか、誰の行動なのかを問われます。古文では主語が省略されることが多く、難易度の高い問題と言えます。これは高校入試、大学入試に共通しています。
内容を把握できているかを問う問題
出題される古文は、いわゆる人生の教訓となるようなものが多く見受けられます。そういった内容を正しく読み取れたかを、選択式で答えるものが多いです。
文法・語句で頻繁に出題される問題
品詞(名詞、動詞、副詞…)や正規・変格活用などあらゆる範囲から出題されます。出題数としては、公立高校入試や大学入試ともに2問程度が出題されます。テストによっては全く出題しない場合もありますので、これについては実際に過去の出題を分析しておく必要があります。
慣用句や故事成語などの意味や、類義語や対義語を問う問題も出題されます。また、中学入試や高校入試ならば、漢字の画順を問う出題もあります。
詩歌で頻繁に出題される問題
表現技法の問題
いわゆる文法内容です。定型詩や自由詩、倒置法や比喩法などの用語を問われることが多いです。
内容を把握できているかを問う問題
詩歌で詠み込まれた内容を把握できているか、選択式で答えるものが多いです。
以上のように、国語のテストとなれば大別すると文章の内容を問う問題、文法の問題、漢字・語彙を問う問題、の3つとなりますが、詳しく見るとこれだけ出題される問題が異なるわけです。
さて次回は、今回の記事を踏まえて、実際に入試で合格点を取るためのポイントについて問題形式別にお伝えします。